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「要強化記事」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。 依頼内容は「MOD抜きのゲーム単体の詳細や評価の強化及び、「前作MOD対応状況」が最大の評価内容である状態の解消」です。 2024年8月18日までに改善されない場合は削除対応します。 3D少女 カスタムエボリューション 【すりーでぃーしょうじょ かすたむえぼりゅーしょん】 ジャンル 3Dリアルタイムカスタムエッチライフシミュレーター 画像掲載自粛 http //www.amazon.co.jp/dp/B00F32VEIW 対応機種 Windows XP~8(32bit/64bit) 発売元 Bullet 発売日 2013年11月15日 定価 8,800円(税別) レーティング アダルトゲーム 配信 2014年12月5日/7,639円 判定 クソゲー ポイント 前作ユーザーによって作成されたMODの全否定単体で見ても内容スカスカのゲー無 概要 ゲーム中でできること 問題点 一応評価できる点 総評 余談 概要 『3Dカスタム少女』(以下、カス子)の事実上の続編。 前作と同様にパーツを選択することで好みの女の子を構成してエッチすることを基本としている。 前作発売から5年が経ち、インターフェースや仕様の面などでの問題点が改善された次世代作と期待されていたのだが…。 ゲーム中でできること 以下ではユーザーが自由にエディットできる女の子キャラをエボ子、システム側で配置される女の子をモブ子と称する。 エボ子についてはカス子と同様に服装や髪型、体型をカスタマイズすることができる。ゲーム中で1人だけ設定可能。 また、エボ子だけはAIを持っており、自律的にゲーム内で行動する。 プレイヤーは男性キャラを操作してマップを歩き回る。その際にはエボ子を連れて歩き回ることができる。 街中などにいる任意のモブ子とエッチしたり、好きな場所でエボ子とエッチしたりする。 決められたストーリーは一切ない。プレイヤーのしたいようにエッチするだけ。 問題点 カス子MODが使用できない 前作もソフト単体では大したことのないものであったのだが、ユーザー製作のMODが無数に作られたことによって、版権キャラの再現や公式のものよりクオリティの高い衣装などを使うことができた。 だが今作は前作向けのMODがすべて使用不可能となっている。データの変換を補助するツールがいくつか有志によって作られたものの、MOD製作に関する高度な知識を以てついていけたユーザーが非常に少なかった。 細部の仕様が異なるため、変換したとしても挙動の差がついて回ることになる、というのも一因だったと思われる。 これにより、カス子ユーザーの移行に大きくブレーキがかかったうえ、なお悪いことに今作向けのMODを作ろうというユーザーもほとんど現れなかった。一応皆無ではなかったのだが、今作向けのMODは有料販売されているものが結構多めだった(*1)。 言う慣れば、良くも悪くも「エディットに関して半ばユーザーMOD頼り」というの一面が悪い方に出てしまったのが、このソフトシリーズの大きな問題点だったと言える。単体では表現の幅が狭いだけに、新規ユーザーにも嬉しくない。 マップがゴーストタウン状態 移動できるマップは自宅、商店街、学校、病院など計10箇所ある。しかし配置されているモブ子の人数がそれに比して異様に少ない。そのためマップは広いのに人がいないゴーストタウンと化している。 学校、病院などの建物は内部に入って歩き回れるため、そこそこマップは広いこともこのスカスカ感を助長している。 マップ各所にイベントがあるわけでもなく、ver1.07パッチで、サンタコスチュームが取得アイテムとしてマップに配置されるまではマップの探索の楽しみすらほぼなかった。 モブ子を連れて歩くこともできるが、配置されているマップの外には出せない。よってプレイヤーの手で女の子を一箇所に集めて賑わせることもできない。 喋るダッチワイフやマネキンだらけの世界 各マップにいるモブ子は人妻・学生・ロリなどそれぞれ個性を持っているが、見た目だけであり固有のイベントなどはない。 話しかければ何の抵抗もなくエッチシーンに移行することが可能であり、恋愛の駆け引きさえない喋るダッチワイフである。 ver1.10パッチにて自分がカスタマイズしたキャラを町に配置できるポーズエディタ機能が追加された。 しかし名前の通りポーズをとっているだけでマネキン状態なので、精々枯れ木も山の賑わいという程度でしかない。 エッチシーンについて 体位やモーションにカス子の使いまわしが多く、ボイスパターンも少ない。 好きな場所でエッチできるのだが、場所によってはソファやテーブルと重なってしまう。 ライトなエッチしかできない。所謂「調教」や「ハードSM」のためのアイテムなどがない。 有名なバグとしてオートでエッチシーンを進めている状態のときに動作を早くすると「気持ちいい」が連続ぶつ切り再生されて「キモッキモッキモッキモッ」となるものがある(*2)。 一応評価できる点 カス子と比べてできることが増えていたり、改善されていることがある。 女の子を連れてマップを歩いたり、自分で場所を決めてエッチできる、モブ子を入れた3Pができるなど。 カス子に比べてモデリングに若干の改善が見られる。 カス子では仕様上無理だったロングスカートを動かすことや左右の手に別々のアイテムを持たせることができるようになった(*3)。 3Dゲームとしては比較的低スペックでも動作する。 といってもビデオカードは必須。ミドルクラスのPCに対応、といったところか。 総評 カス子ユーザーが期待していたのは「カス子のMODという極めて大きな財産をそのまま継承できる発展形」であった。 それさえ為されていれば良作たりうるゲームだったのだが、そこを完全に放棄したが故にユーザーの失望は著しいものになってしまった。 ゲーム単体としてはやることが少なすぎる上にMODの製作もろくに行われないので、新規ユーザーにとっても中身のないクソゲーになるという始末であった。 仕様上、互換性が重視されるべきソフトにおいて後方互換性がないがしろにされるとどういう結果になるのかを示したCGツールと言えるだろう。 余談 一部のユーザーは公式による継続的なアップデートで内容が改善されると期待していた。 しかし、アップデートは2014年4月のver1.20aを最後に音沙汰がなくなってしまった。 その後、2017年春にブランドの親会社が事業停止となったことで改善の可能性は潰えた。
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2011総評案7 大賞 学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~ クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 28本目 134 名前: 2011総評7 1/12 ◆PAP76nfaQs [sage] 投稿日: 2012/02/12(日) 13 02 59.59 ID eGGt/Oj00 2010年はKOTYeにとって受難の年だった。 大作のガッカリ化、倫理的問題に寄り過ぎたハジけ足りないノミネート作、どうしても過去二作と比較されてしまう大賞作。 偉大なる先人の後塵を拝した宿命か、どこか満たされない思いを抱いたまま2011年は始まった。 一番槍を務めたのは前年末『熟処女』でスレを沸かせたばかりのHammerheadsの本元、ミュスカデの『令嬢の秘蜜』である。 本作はセレブ系インモラルADVを謳っているが、インモラル要素はあってないようなもの。 ヒロインの一人が義父との子という設定は最後まで活かされる事はなく、そもそも夫も義父も最後まで出てこない。 セレブさに関してはHシーンの導入がほぼ全て「媚薬入りの紅茶を飲むか飲ませる」というあたりに僅かにセレブを感じ取れるのみである。 まぁ、抜きゲーである為シナリオ上の問題はまだ目を瞑るとしよう。だが、だからこそエロの手抜きは許されない。 だというのに、『熟処女』で問題となったエロシーンでのミスを本作でもまたやってしまっているのである。 杜撰な誤字、文章とCGの状況が合わない、とあるシーンでほとんどのセリフの音声がNGかブツ切りの二種になる、 シーン転換バグにより3P中にいきなり相手が変わる、この為見られないシーンができてしまいCG達成率100%が不可、 そして極め付けが本番やフェラシーンでは最初から精液が飛び出しておりCG差分が一切なしという驚愕の「仕様」である。 このように低価格ソフトだからまだ許された事をフルプライスでやってしまった本作は、OHPのタイトル表記やBGMが全て 「令嬢の秘『密』」になっている等のやる気のなさと相まって、2011の先鋒として媚薬入り紅茶と共に住人達に迎え入れられた。 続いて春先には3Dの雄・TEATIMEから『修羅恋~SeeYouLover~』が現れる。 本作の売りはその名の通り「女の子が自分を取り合って罵り合い、多彩な技でリアルファイトするのを鑑賞する」という点にあり もうコンセプトの時点からして火薬の匂いしかしない代物なのだが、その威力の程は想像を遥かに上回るものであった。 シナリオは冒頭でチャラ夫が二股したのがばれてフラれる様を見届けた後は何一つ語られることは無く、会話の内容も全くと言っていいほど中身がない。 システムはローポリゴンの街並みをスケート移動しているヒロイン達に話しかけて好感度を上げていくというナンパ系ADVなのだが 出会った直後から胸を触ってもキスをしても怒ることはなく、話しかけて別れて即また話しかけるを繰り返せば30秒足らずで好感度がカンストする。 お邪魔キャラのチャラ夫は接触しただけで会話テキストも無しに殴りかかってくる理不尽極まる真性のチンピラではあるが 街中で女の子に向けて紫色の精液を3秒/発でFPSばりに発射する主人公に比べればまだ正気と言えるだろう。 そして肝心の修羅場は敬語や無口なキャラまでもが「ドブで体洗ってる不潔女……近寄んな!」「ケツフリまくってるメスがぁっ、ミンチにでもなってろぉぉ!」等の 口汚い罵倒を全く噛み合わないままに吐きあった挙句、躍動感の無いヤクザキックやパチキ・サマーソルト等の応酬の末に負けたほうは路上で足蹴にされるといった わかっちゃいたけど実際見ると想像以上にどうしようもない、百年の恋も一発で覚めるようなシュールな茶番となっている。 結論として攻略には2時間もあれば十分でそれ以前にまず飽きるというそこらの同人3Dゲーのほうがまだ遊べるレベルの適当極まる作品であり、 いくら見え透いた地雷とはいえ実際に踏んだら痛いものだという当たり前の事実を改めて教えてくれるクソゲーだった。 春先の大物といえばKLEINの『勇者と彼女に花束を』も忘れてはならない。 元よりここは絵と音楽だけはいいという地雷の枕詞を体現したようなメーカーで、何度開発してもシステム不良を起こす等学習能力の低さには定評がある。 本作も体験版からして極小の音量や誤字・エラー落ち等の硝煙の匂いを漂わせていたが、此度もそれは予想通りだった。 体験版の問題点が全く改善されていない上にセーブやバックログが右クリックメニューからしかできない不親切なシステム、 語彙が貧弱で文章になってない箇所も散見されるテキスト、設定を聞けば誰でも予想できる同人レベルの稚拙なストーリー、 どのルートもやたら短く要点とご都合主義だけで進む起伏も感動も伏線もない極薄のカルピスのようなシナリオ構成、 そしてBGMや音声の消失・テキストと音声の不一致・選択肢の無限ループ・イベントCGに立ち絵が被る・一部ルートが進行不可・EXTRA(鑑賞モード)が解放されない といった膨大なバグ等々、ノベルゲーと聞いておよそ思いつく限りの難点を搭載したクソ要素のフルオープンアタックとでも言うべき地雷っぷりである。 ……が、この時点では良く言えば本作もただの核地雷止まりであり、真の意味でスレを沸かせるのはパッチを当ててからであった。 アップデートするとあるヒロインの立ち絵が全面的に差し替えられるのだが、これが胸が萎んだり目が巨大化したり等身が変わったりと 原画が変わったのかと勘繰る程に絵柄が違い、正直劣化といって差し支えないレベルなのだ。 ならパッチを当てなければと思われるだろうが、そうすると今度は進行不可バグやEXTRA未開放バグが残ってしまうのである。 パッチありでも一部CGが登録されない等バグが完全に駆逐されるわけではなく、ユーザーはどっちに転んでも嫌な二者択一を迫られることとなる。 極め付けに、このパッチは体験版に当てるとなんとエンディングまでプレイできてしまうというバグまで存在する。 流石に一部CGは表示されないしEXTRAも見れない不完全版ではあるが、高い金を払った正規ユーザーにしてみれば憤懣やるかたない思いだろう。 このように本作は例え特徴のない地雷でも細かい積み重ねとひとつのチャンスさえあればクソゲーとして名を馳せることができる事を教えてくれ、 単純なノベルゲーとしては2011でも最高峰にあたるクソゲーとスレでは崇められることとなった。 2011序盤はこの通り一筋縄ではいかないクソゲーもあったものの、他の話題作はというと プレイを妨げる要素こそ無いが700MB弱というCD並の容量・心理描写など投げ捨てたシナリオ・文章との整合性を無視したCG・ リアル学生ばりに素人くさい演技などあらゆる面が低クオリティの安心してプレイできる正統派クソゲー『コイ★カツ』、 ブラコンのはずの実妹のルートに入ると突如主人公が別の人物に変わり、エロゲ的ご都合主義をNTR側から味わえ おまけシナリオでは「そんなに実妹がよけりゃヨスガにソラってろ」と煽られるねこねこソフトの『White -blanche comme la lune-』、 主題のはずの転校話はプロローグで取り消されるわパッチ無しだと一人しか攻略できないわCG数は前作以下の61枚だわ誤字やNG音声は多数だわ 朝~昼を「短針が四周」と表現するわと、どこを取っても手抜き感満載のパープルソフトウェアdelightの『PrimaryStep』など、 手抜きや宣伝詐欺や未完成商法といった良くも悪くもKOTYeらしい作品が多く、訓練された住人達にしてみれば若干食傷気味であった。 また、この時期は大手大作のガッカリゲーでスレが荒れたこともあり、住人達は昨年から続くこの悶々とした空気を吹き飛ばす一本を今か今かと待ち望んでいた。 そんな中、5月の終わりに季節外れの台風と共にスレに現れたのがTEATIME二本目となる『恋愛+H』である。 これは予想に違わず某国民的GFを模した3Dゲーで、日常パートで攻略したヒロインと「熱愛モード」で色々なHが楽しめるというものだが、セーブができない。 攻略がノーヒントで、一部環境ではじゃんけんに負けると即フリーズというカイジも真っ青なシステムでありながら、セーブ機能が存在しないのである。 日常パートは長くてもせいぜい3時間程度、一度クリアさえしてしまえば最初から熱愛モードに入れるとはいえ、 この大容量化の時代にセーブなしという仕様にスレ住人のことごとくが度肝を抜かれた事は言うまでもない。 しかも肝心のエロシーンの出来も惨憺たるものである。毎回細かいエディットを設定しなければならず、カメラワークの悪さやピストンロックが無い等 3Dエロゲーとしての出来は悪く、特に通常シーンではぷるんぷるん揺れていたおっぱいがエロシーンになると石膏のように微動だにしなくなるのは誰もが突っ込んだ。 更にフィールドには自室やラブホテル等が存在するのになぜかHは屋外でしかできず、体位やプレイ内容は選択の余地なくランダムで決定される。 そのせいで『初体験でいきなり青姦で足コキされた』『さっきまで清純だった彼女がエロシーンでいきなりチンポを連呼するドSに』等、 いともたやすく行われる変態行為の報告が続出し、何とかここまで辿り着いた強者ユーザーをも唖然とさせた。 これは元々性格によって反応が変わるというシステムだったのが実装できなくなったためという説が有力であり、 発売当時OHP上に乱舞していた「開発の都合上できなくなりました。ごめんね。」という一文がそれを裏付ける。 実際にOHPとげっちゅ屋の紹介ページを見比べるとどれだけの仕様が削られたのかがよく理解できるようになっており、 これらの問題の前では音声バグやシナリオの破綻について作品スレにライターが降臨したことなど大した問題として扱われないほどであった。 後に出たパッチで一枠のみながらセーブ機能が追加・石膏おっぱいの改善など多少はマシになったものの、それでもその爆発力は傑出しており 抜群に可愛いモデリングに惹かれ『修羅恋』でクソを出した後だから今度は大丈夫だと油断して誘われた信者を余す事無く焼き尽くした誘蛾灯の如き化け物である。 TEATIMEは年末に別ブランドから出した『肉体契約書』も「ボリュームは少なくロードは膨大」と不評で結局一年を通じて汚名を撒き散らす事となってしまい、 一方で3Dの片翼・イリュージョンの『ジンコウガクエン』が素材の出来やインターフェースは最悪なのにユーザーの遊び心次第で18禁ガンパレとして弄り倒せることで 一部の層から絶賛されたという対照的な事例と相まって、「3Dエロゲーにとって大切なものは何か」ということを考えさせられることになった。 そして恐ろしいことに、魔物は一匹ではなかった。同日にコンプリーツの『まままーじゃん』が二年以上の延期を経て発売されていたのである。 これは一見するとただの熟女三人との四人打ち脱衣麻雀である。ルールは半荘一回で最下位になった人が一枚脱ぎ、四枚で全裸。 Hシーンを見るにはまず全員を脱がしきる必要があり、更に二回最下位にすると本番となりゲームクリアという仕様である。 ……賢明な読者諸氏は既にお気付きだろう。つまり本番までは最低でも半荘14回、全員見るには42回必要なのである。 麻雀を知らない方に簡単に説明すると、半荘一回は原則8ゲーム1セット。ゲームの場合時間にして平均15~20分くらいだろうか。 14回というのも勿論理論値であり、実際は一人見るのに20回程度はかかるだろう。全員脱がしたとしても狙い通りの相手を負かせるとも限らない。 しかも本作には中断セーブやコンティニュー機能が存在せず、CGモードはあるが回想モードは存在しない。 すなわちエロシーンが見たければいちいち数時間をかけて勝ち抜く必要があり、下手に負けることも許されないのである。 また、麻雀ゲーとしての出来も悪い意味で決して見逃せない。 まず脱衣麻雀にはお馴染みの積み込み等のイカサマは存在せず、昨今珍しいチョンボ(ルールを間違えた時のペナルティ)ありなど完全な初心者お断り仕様。 そのくせ清一が数え役満になるなど点数計算が明らかにおかしいうえ、システムも不安定なため常にフリーズの危険が付きまとう。 バグも豊富でかの七英雄が一人『ジャンライン』が誇る「亜空カン」までもが確認された時には流石に驚きを禁じ得なかった。 同じ麻雀でも年始に出た『雀極姫』が「不満は多数あるが麻雀ってゲームは偉大だなってことに全て救われてる」と評されたの対し、 本作のこの賽の河原の石積みのような苦行っぷりは「超えてはならない一線<ジャンライン>を無造作に踏みつけていく」とまでうたわれた。 流石にこの仕様は大不評だったために発売後一週間でセーブ・コンティニュー・回想モード追加パッチは出たものの、 一瞬ながら嵐の如く大暴れしたこの魔物は住人達に忘れ難い印象を与えたのだった。 この二匹の魔物に加え、発売日である5/27には時を同じくして 序盤の厳しすぎるゲームバランスとマウス非対応・遅すぎる移動等の劣悪な操作性でユーザーを苦しめた ソフトハウスsealの『変態勇者の中出し英雄記』 一見新規ブランドのデビュー作だがその正体はアーベルの別ブランドで中身はお察しといった感じである FIANCEEの『美衣菜△です!-Loveイチャ同居生活のススメ-』 出来は良いもののHシーンの4割強がうんこまみれという事が隠されていた超級者以外お断りの臭い立つ糞ゲー Empressの『STARLESS』が一度に世に出ており、 これらは総称して「五惨家」と呼ばれ住人達から絶大な支持を受けた。 五惨家の登場によりスレでは並の地雷では歯牙にもかけられなくなったものの、しかしそれを易々と踏み越えてこその常連。 お馴染アーベルソフトウェアの『ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-』の登場である。 「謎の殺人鬼に殺された主人公が魔界の王女のネクロマンシーでゾンビとして蘇り犯人を捜すため怪事件を追う」という 物凄くどこかで聞いた覚えのあるあらすじの本作だが、その程度はアーベルだから今更驚くことでもない。 問題なのは「探偵ハイパーリンク・システム」である。これは作中で表示された重要ワードをクリックすることで Tipや視点移動が発生し進行するというシステムなのだが、バックログが適応されないという致命的な欠陥がある。 もしジャンプ点を読み飛ばしたりクリックの際にカーソルがずれたりでもしようものならその地点までやり直さなければならず、 加えてスキップ時に自動で止まるという気の利いた機能も無い為、一度読んだ文章を一回一回注意深くクリックし続けなければならないという 地味ながらノベルゲーで一番勘弁してほしい類の不毛なストレスを強いられるのである。 視点が飛ぶ先もメインキャラも把握しきっていない序盤から端役から端役へと移るため話を無駄にややこしくしており、 その一方で戦闘シーンは敵の台詞が「チッ」×三回のみの14クリックで終了と力を割くべきところを明らかに間違えていると言わざるを得ない。 実際に二話からは完全一本道になってしまっている上、なんと本編はその特に長いわけでもない二話で終了。 恒例のアドオンを当てても三話で完結と、『デュアル・エム』すら下回りアーベル史上最短記録を更新してしまった。 総じて見るといつものアーベルの範疇を逸脱しない出来ではあり、話の出来そのものも比較的マシな部類でありながら 歴代最小のボリュームと最大のストレスを併せ持つクソゲーメーカーアーベルの集大成とも言える作品になってしまった。 また、余談ではあるが本作の開発中にアーベル社長の菅野氏が突然意識を失い、気付いたら病院のベッドの上で一ヶ月が経っていたという不幸があり それが本作の開発に暗い影を落としたことは疑いようもなかったという事も述べておく。 この通り本年は現時点で既に昨年が嘘のような豊作ぶりであり、この後は 「蜘蛛娘とチュッチュしようとしたら茶筒とセックスしていた」というPoison@Berryの『プリンセスX~僕の許嫁はモンスターっ娘!?~』が 賛否分かれて荒れるような騒ぎはあったものの、大方の住人はもう今年一年分は騒げたから良しとそれなりに満足していた。 ……故に、これらを易々と乗り越える超特大の化物の登場など一体誰が予想し得ただろうか。 年末より一足早く、ソフトハウスsealが『変態勇者』に次ぎ世に送り出した低価格RPG第二弾。 『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』が現れた。 今度の作品はダンジョンRPGなのだが、パッケージ版はまずダンジョンに潜ろうとするとバグでゲームが止まると掴みは上々。 ……この製品失格レベルのバグが「掴み」に過ぎないという事をまず最初に承知して頂いてから順に問題点を挙げていこう。 まず第一に素材。OHPのサンプル画像と見比べてみるとわかるのだが、画面内情報が激減しているのがわかる。 探索画面では所持金・場所名・ちびキャラが、戦闘画面では背景・スキルと必殺技の種類・スキル消費EP・ウインドウ内での敵の名称・ 行動順バーがそれに当たり、特に何も表示されない行動順バーが画面右側を大きく占拠しウインドウを突き破った文字がはみ出ているという様は 納期が足りなければ他の全てが削られてゆくという現実を我々にまざまざと見せつけてくれた。 第二にシステム。『変態勇者』の反省からか、今回はマウスで「しか」操作できない。移動もコマンドやターゲットの選択も全部マウスである。 これを初めとして、戦闘では最初から習得スキルが全部表示されているのに肝心の効果や消費EPがわからない・状態異常が表示されず戦闘後回復もしない、 探索では階段が表示されない・階段のある通路を通ると勝手に階を移動してしまう・もちろんオートマップ機能やワープゾーンなんてない、 メニューでは回復時にHPやEPが表示されない・装備変更時に現在の装備や持っている数やステータスの変動が見れない、 店では装備品の効果がわからない・ワンクリックで確認なしで買ってしまう・アイテムのまとめ買いができない、 などなど全編通してかゆいところに手が届かなくなっており、最初から最後まで地味に苛んでくれる。 第三にバランス。本作はレベル上昇による成長がHPとSP以外見込めず、攻撃スキルは全て無属性+ダメージ固定で序盤以外は力不足となるため キャラの強化は装備による依存度が極めて高く、ワンランク上の武器を装備しただけでダメージが数倍に跳ね上がる。 スキルも序盤の全体攻撃等はまだ使い出があるものの、最初の回復技が単体300回復で次に覚えるスキルが全体2500回復、 同じレベルで覚える攻撃技が片や単体600ダメージで片や全体3000ダメージだったりとバランスというものをブン投げている節がある。 また戦闘では素早さの重要性がむやみに高く、鈍足の先輩に行動順が回るまでに俊足の妹が2回行動するなんてことはザラ。 加えて5階にある最初の店から買える最強武器は妹のものに限り素早さに強烈な補正がかかり、攻撃力も全武器中最強のため 少し頑張って稼げば戦闘開始即3回行動で瞬殺という無双プレイが可能となり、先輩に行動順が巡ってくる事は殆どなくなる。 ……というより、終盤になると敵が全体大ダメージ+麻痺攻撃などを連発してくるためそれ以外の戦術が通用しなくなるといったほうが正しい。 このようなドンブリにも程がある調整と身も蓋もない戦術性から、本作の攻略は先人に倣って「お金を貯めて装備で殴れ」の一言で片づけられてしまっている。 そして最後にバグ。最初の強制終了もさることながら、本作では「表示と実際の効果が一致しない」という状況がとにかく多い。 HPバーと実際の数値が連動しない、マップの地形と進める方向が一致しない、状態異常無効など装備品の効果が現れない、敵の名前がスキル使用時に変わっている、 メニュー画面だと蘇生アイテムを使っても回復せずに数だけ減る、同様に状態異常回復アイテムを使うと蘇生アイテムが減る、 全体守備力アップスキルのバリアシールドを使うと守備力ではなく全員のEPが回復し、しかも上限値を超えて増え続ける等々。 またそれ以外にも、戦闘中にタイトルに戻るとロード時にゲーム終了時に戦っていた敵といきなり戦闘になるというバグも存在する。 これはボスも例外ではなく、全データに適用されるためロードと同時に中ボスが現れ詰んだという七英雄やウィーグラフの悪夢が蘇った者もいた。 ……これらの要素が複合した結果、「野生で」「瀕死のラスボスが現れ」「逃げたらゲームクリアになった」というあまりにも面白すぎる状況が生まれてしまった。 流石に最後のバグはパッチで修正されたものの、ゲーム史上でも屈指の珍妙なバグとして末代まで語り継がれるのは間違いないだろう。 しかしこれだけの数々の問題点を抱えていながら、メーカースレでは悲鳴こそ絶えないものの皆どこか楽しげだったのが印象深い。 エロに関しては従来の水準を守っており攻略自体も不可能ではないため本質的な不満は出なかった事に加え、 プレイする度に新しい珍現象が発見されることから「完成度1%のロマサガをやってるみたい」との声まで上がったくらいである。 sealはこれから年末までのわずか一月の間に、RPG要素が『学園迷宮』より単純なのにより面倒くさいシステムと攻略不可バグを搭載し 不満点が「なぜ RPGに したし」の三語で語られてしまった『淫刻の虜姫 ~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~ 』、 探索要素が異常なまでに難しい『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』を立て続けに発売している。 この一挙加勢の前では、従来の素材流用やアペンドに加え黒背景・テキスト流用・イベントCG流用という他社の大技まで吸収した アーベルの『魔法少女と恋+』ですら霞んでしまったのも無理からぬ事であり、一躍KOTYeのスターダムへとのし上がったsealとの世代交代を感じさせた。 それでは、紹介を終えたところで今年の受賞作を発表する。 次点には 『勇者と彼女に花束を』 『恋愛+H』 『ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-』 そして大賞は 『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』 とする。 今回は過去に類を見ないほどの大豊作であり、次点以上は昨年であれば確実に大賞をさらっていたであろう逸材揃いである。 だが、そんな中でも『学園迷宮』の存在感は群を抜いていたと言わざるを得ない。 そもそもsealは玉石混合の数打ちながらエロに関しては一定の評価があるブランドであり、『学園迷宮』も普通のノベルゲーとして出していれば それなりの評価は得られたであろうにも関わらず、低価格帯でRPGという無茶に挑戦して見事爆砕した本作の 「やる気だけはあるけど他の全てが足りなかった」という姿勢はかつて我々を楽しませてくれた伝説のクソゲー達を思い出させる。 加えて溢れ出る数々のネタ、エロゲとして大切な一線は越えない矜持、何よりプレイヤー達が苦笑いながらも皆笑っているという 愛されるクソゲーが押さえるべき点を本作は全て押さえており、クソゲーの鑑と呼ぶに相応しい代物であるとして晴れて今回の受賞と相成った。 クソゲー界隈には「クソゲーはやるのは最高につまらないが語るのは最高に面白い」という言葉があるのだが、 アイ惨が「最悪のクソゲー」だとするのなら、本作は正に「最高のクソゲー」と称するに値するだろう。 2011年は数多の強豪が鎬を削ったKOTYe史上に残る群雄割拠の年となった。 五惨家の存在や超新星ソフトハウスsealの登場は言わずもがな、古豪は素材流用や未完成商法などの従来のクソ要素の集大成を、 新参達は体験版製品化やセーブ不可などの新しい切り口から瑞々しいクソ要素を見せてくれた。 また、アーベルやミュスカデ・パープルソフトウェアdelight等が汚名を挽回する一方で 昨年の覇者ういんどみるは『Hyper→Highspeed→Genius』で名誉を挽回しており、 かつて次点を輩出したLeafやフロントウイングも『White Album2』『グリザイアの果実』といった極めて評価の高い作品を出している。 また本家パープルの『未来ノスタルジア』やきゃんでぃそふとの『つよきす三学期』が大方の予想に反して良作評価を受けたり、 更にはシリーズを経る毎に内容を少しずつ改善してゆき、今回ついに「大帝国よりも面白い」という声さえも挙がった『戦極姫3』の存在などもあって、 来る者も去る者も大きく動いたKOTYeにとってひとつの節目の年と言えるだろう。 ……そして、この場を借りてある人物のことを語ることをお許し頂きたい。 去るクリスマスの夜、アーベルソフトウェアの社長でありシナリオライターでもある管野ひろゆき氏の訃報が伝えられた。 アーベルといえば昨今ではKOTYeの看板として知られ、最近は住人の間でも「ただ不誠実なだけの唾棄すべきクソゲー」と言われていた。 だが、かつて氏が手掛けた作品達ははまぎれもなくエロゲ史上にその名を刻む傑作であり、中でも『この世の果てで恋を歌う少女YU-NO』は ADVの一つの完成系として名高く、今でもエロゲの最高傑作を挙げようといえば必ず『YU-NO』の名前は出てくるのである。 たとえその晩節が綺麗なものでなかったとしても、数多の名作を残しゲームというものを確実に進化させ、 何だかんだでこのスレも幾度となく盛り上げてくれた偉大なクリエイターが居たこと我々は決して忘れてはならない。 KOTYe住人として、そして一介のゲーマーとして、今までの感謝を込めて心よりご冥福をお祈り致します。 最後に、氏の代表作のひとつである『EVE burst errer』より名言をお借りすることで、2011クソゲーオブザイヤーinエロゲー板を締めくくろうと思う。 「クソゲーっていうのは勢いと苦笑いに裏付けられた立派な娯楽なんだぜ」 ※2/14 誤字脱字等を修正しました。---- 過去のコメントはコチラ
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フォムス ダークメサイアの一員。階級は兵士。 七つの大罪を操る能力『赦されざる者(デッドリーセブン)』を使う堕天使。 灰色の海の向こうに?ではその中の一つ『強欲(グリード)』を 無に用いたが、無が自らの足を傷つけ意志を守った事で破られた。
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RELICSシリーズリンク RELICSシリーズ 関連作品 開発中止 RELICSシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 PC(*1) RELICS 主人公は魂だけの存在であり、倒した敵の身体に乗り移りながら進むという斬新なコンセプトが話題となった作品。当時大ヒット曲を連発していたクリスタルキングがBGMを担当したことでも話題に。 なし FCD レリクス 暗黒要塞 上記のアレンジ移植。ローディングのおまちくた゛さい地獄等によりクソゲー化。 ク Win RELICS -The recur of "ORIGIN"- 世界観・ストーリーを一新しDiablo風のクォータービューアクションRPGにシステムを大きく変更したリメイク作品。多彩な攻略ルート・27種にもおよぶマルチエンディングは圧巻。 なし RELICS -The 2nd Birth- 上記の続編。ストーリーがほぼ一本道になったもののやりこみ度の高いシステムを内包。オンライン対戦モードも搭載し、オンラインで得られたアイテムも本編で利用可能。 RINNE 日本ファルコム開発、ソフトバンクBB発売のアクションRPG。商品タイトルにトレードマークのRELICSが無いものの、事実上『ORIGIN』から連なるシリーズの続編である。 関連作品 機種 タイトル 概要 判定 SFC/PS/SS 伝説のオウガバトル ボーステックの後継会社であるクエストが発売した『オウガバトルサーガ』の作品。作中に「レリクス」の名を冠した武器やクラスが登場。 良 タクティクスオウガ 良 PC(*2) ブランディッシュ 本作よりアレスとドーラ・ドロンが『RINNE』にて登場。 良 PC(*3) XANADU 本作よりガルシスが『RINNE』にて登場。 良 開発中止 Xbox版『RELICS』(ボーステック) オリジナル版のRELICSをベースとして3Dフルポリゴン化した作品として2004年の発売を目標に開発されていたものの、残念ながら開発中止となった。
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2017年総評案2 大賞 ママとの甘い性活Ⅱ 22: 総評2 ◆c9O/rMN8hE :2018/02/14(水) 21 50 54 HOST pon188-109.kcn.ne.jp 「クソゲーとは何か?」 2016年のKOTYeは、そんな永遠の問いを体現するかのような闘いだった。 開幕当初誰もが最強と疑わなかった「村正」と、ニュータイプでも理解不能なシナリオの「グリモ」。 バグの極致とクソシナリオの極致。形は違えど、まさに最強同士の戦いは王道を行った後者に軍配が上がり、「グリモ」が大賞に輝いたのである。 だが戦いを終えた住人の心には、一抹の不安がよぎった。 今年はKOTYe10周年という節目の年、それに相応しいクソゲーは現れてくれるのだろうか――――と。 その不安は的中する。 前年次点の村正を練り直して出された『戦御村正DX』は、バグ祭りとはいえ村正と比較すると小粒なクソという扱い。 それ以外に話題に出たいくつもの作品も、「選評を書くほどではないな」と見逃されていった。 普段は我先にと争う選評がなかなか現れず、冬を終え春が訪れても、誰一人選評を提出しない異常な事態。 そう。2016年の激しい争いが住人たちの心に深い傷を残し、選評を書くための自分の中のハードルを無意識に上げてしまっていたのだ。 意義ある、しかし静かな10年目。 「――――今年は何一つエントリー作品が出ないのではないか?」 そんな冗談めいた恐ろしい予感が皆の頭によぎる。 その予感を打ち破ったのは、まさかの作品だった。 最初に切り込んだ勇気ある作品、それはあかべぇそふと系列のひとつ、hibiki worksの人気シリーズ『新妻LOVELY×CATION(以下、新妻)』である。 恋人になるまでの経緯となったあとのイチャラブに焦点を当てた堅実な「CATIONシリーズ」の新作がまさかのエントリー。 突如行われたエンジン変更のせいで、体験版になかったもっさり化などの問題を引き起こしてしまう。 それだけではなく、日付表示バグ、強制終了バグなどが頻出。 極めつけはパッチを当てると発生する、BGV再生失敗バグ。 延々BGVが無限ループし、タスクマネージャーからの強制終了しか対策がなくなる。 体験版で油断させたところにエンジンを変更しバグで背後から襲う。この恐るべき奇襲の前では、ヒロイン間の格差やいまひとつ不完全燃焼感のあるシナリオなどの問題点も霞んでしまう。 こうして堅実として名を馳せたシリーズの新作は「新妻バグリケーション」として名を馳せることとなった。 続いてスレに登場したのはeufonieの『はにデビ! Honey&Devil(以下、はにデビ)』である。 「淫魔に取り憑かれた発情したヒロイン! 彼女たちを救えるのは、主人公との性行為のみ!」という触れ込みのエロゲーなのだが、主人公は「好きなもの同士じゃないから」「女性が傷つく」と性行為を拒否。 ヒロインに何を言われても、「たとえもっと被害が拡大して大変なことになってもやらない」と、ひたすら草食系を貫いていく。 ジャ○プ+の漫画ならともかく、はにデビは明確なエロゲーである。何故この触れ込みでそんな姿勢を選んでしまったのか。 発情してどエロくなったヒロインとの性行為を求めていたユーザーはそんな彼の姿に「違う、そうじゃない」とため息を付くのであった。 彼らに負けじと現れたのは、Digital Cuteの『タンテイセブン』である。 公式によるとメインミッションとサブミッションで構成されている、ミッションシステムを採用。 メインミッションでシナリオを進める一方、ほとんどクリアの必要がないサブミッションでキャラと交流。どんな人でも十分楽しめるようになっている。 ……というものなのだが、これらは嘘である。 作中でサブミッションのシナリオを読むことでメインミッションに影響があると言われるが、どのサブミッションを選べばどう影響するのかさっぱりわからない。 しかもサブミッション中の選択肢もノーヒントで正解を選ぶ必要があり、正解したかどうかはゴールに辿り着くまでわからない。 つまり、実際のミッションシステムは、「正解するまで総当りで選択したシナリオを追う」という徒労に満ち溢れたもの。 どうでもいいトンチンカンな会話も相まって、凄まじいテンポの悪さがプレイヤーが襲いかかる。 このような作業を経て読み進めるシナリオは、突如過程がすっ飛ばされ、時系列すらよくわからず、さらに整合性の取れていないせいで謎の残る低質なものであった。 チュートリアルだけあるのに、実際にそのシステムを使うことのないシナスタジアビジョン(探索モード)や、無駄な作業を強いられるだけのシナスタジアバトル(尋問モード)。 このように、ミッションシステムの他にも、形だけ残ってまるで生かされていないシステムが見受けられた。 Hシーンでは途中で何故かアイキャッチが入って興奮に水を差す。 挙句の果てに、探索の描写よりもクソゲー恒例飯テロの方に力を注ぐ有様である。 後にパッチが配布されてシナリオの補完やフラグバグなどがある程度解消されたのだが、それでもスッカスカの未完成品を売ったという事実は変わりがない。 HPだけを見るなら個性的なシステム、探偵ゲーと言う作風など魅力があるように見えるだけに残念である。 さて、時は8月。 すでに発売されていた「見えている地雷」の一つを爆破させたハンターがいた。 1月に古豪アーベルが繰り出した『アッパレーション ~最期の初恋はバッドエンド~(以下、アッパレ)』である。 まずシステム面だが、公式HPには「死神見習いの能力を使ったSEXによって命を分け与えてヒロインの危機を救う」”命数授与システム” 「運命の分岐点を作り出す」”運命流図システム”などと仰々しいことが書いてある。 が、前者は単にHシーン導入の演出、後者は単に強制バッドエンド→バッドエンドを回避する選択肢の追加 というだけのものをそれっぽく演出しているだけのもので、実際はただの一本道展開である。 本来ならシナリオでこれらの能力について活かすべきなのだろうが、肝心のシナリオは全体的なダイジェスト仕様の薄っぺらいものだ。 死神としての仕事シーンは序盤を除いてほぼ描写がカットされ、日常シーンも基本的な紹介を終えるとどんどん減り、中身のないやり取りを垂れ流すだけのものになる。 こんなことではヒロインたちと主人公の掘り下げなどできるはずもないが、その調子で話はどんどん進み、個別シナリオに入るとイチャイチャ・敵の捜索と報告・延命SEXの繰り返しになっていく。 その他にも、作画崩壊するCG、矛盾溢れる物語、4クリックで終わる戦闘シーン、Hシーンの多くが前作の流用など、致命的な欠点が数多く登場。 古豪の出した本作、それは手堅く低クオリティでまとまった、手抜きの感じられる一品であった。 次に出てきたのはソフトハウスキャラの『領地貴族』である。 ADV+SLGというおなじみソフトハウスキャラの最新作であるが、発売されたのは重要なSLG部分のバランスを放棄してしまった一品だった。 本作は毎ターン一回の行動力で、資源を消費して施設を建造し、関連のイベントを消化していくというものである。 一見とても面白そうだが、騎士一人につき行動力が永続的に一回増える(重複可)という仕様と、1ターンに1度資源を大量に得られる振興政策コマンド。 これらの組み合わせにより、騎士を複数雇用して建造と振興を繰り返すゴリ押しで全てが解決する。 選評者をして「行動力を上げて物量で経営すればいい」と言わしめたそのバランスはゲームとしての面白さを完全に殺してしまっており、ただ面倒なだけの、値段に見合わない薄いADVと化してしまった。 CGやエロシーンのクオリティに問題がないのが救いと言ったところか。 『領地貴族』と同月に発売されたのは、新ブランドUnN/Aの処女作『恋愛教室』である。 16人のヒロインの中からユーザーの投票によって攻略対象が選出されるという、画期的なコンセプトのもとに発表された本作。 公式サイト曰く『厳選されたヒロインとだけ愛を育み、体を重ね合い、作品の中でしっかりとした恋愛劇を描きます』とのことだったが、実際の中身は 個別ルート①お見合いの話が来ました→俺が話をしに行く!→エンディング 個別ルート②この学校が共学になるの嫌!→俺の両親に頼む!→エンディング 個別ルート③妹が風邪をひいたのでそれにかこつけて数日ずる休みしてセックスしました、終わり 個別ルート④学校に通いながらセックスしました、終わり という、薄いを通り越してあまりにもお粗末な内容であり、しっかりとした恋愛劇が描けたかはあまりにも疑わしいものだった。 シナリオ面以外も、シーン回想モードすら実装されていない一方、進行不能バグのような余計なものだけは実装している状態であり、あらゆる方向性からプレイヤーを苦しめるその姿勢にユーザーは感服の一言しかなかった。 さて、さきほど『アッパレ』でこう述べた。 すでに発売されていた「見えている地雷」の”一つ”を爆破させたハンターがいた、と。 そう、「見えている地雷」は一つではない。 誰もがその存在に、その危険性に気づいていながらも、手を伸ばせなかったもう一つの見えている地雷。 誰もがクソだと確信していながら、そのあまりの腐臭に手を躊躇わせた最強の地雷。 コンプリーツの『ママとの甘い性活Ⅱ(以下、ママⅡ)』である。 容量が260MBで総プレイ時間が1時間。CG20枚のボリュームなのに4800円という強気の価格設定。 これだけでも普通なら会社が傾くレベルの所業であるが、本作の本質はそこではない。 本作の最大の問題点はグラフィック。 「しょぼい」「同人レベル」「作画崩壊」「20年前のエロゲのほうがマシ」。 公式HPを開いて目に飛び込んでくるのは、そんな形容が生易しく覚えるような超ロークオリティのCGだ。 サンプルの時点でまともな人体が描けておらず、どこの素人を引っ張ってきたのかとしか思えない仕事ぶり。 歴代商業エロゲの中でも底辺を這うようなレベルだが、そのサンプルでも本作でもまともな部類に入るものである。 実際にプレイすると絵の感想は、「素人が描いたような絵」から「小学生が描いたような絵」にクラスチェンジする。 その狂気すら感じさせるクオリティは、選評者をして「ご覧の有様のほうがまだマシ」と言わしめるものであった。 ただ、「最初ウンコなのは明らかなのだから、ウンコを注文してウンコが出てきても文句を言うべきではない」という住人の一人による擁護があったことも記しておきたい。 徹底的にコストを削減し、クソゲーハンターしか買わないクソゲーを出したその漢らしい姿に、住人たちは敬礼するのであった。 ママⅡの圧倒的な破壊力から2週間、続いて選評が舞い降りたのはハイクオソフトの『面影レイルバック』である。 KOTYeと同じく10周年として発売された本作であるが、その中身は短く薄く、そして雑なぶん投げシナリオであった。 共通ルートで2~3時間、個別ルートで30分~1時間というボリューム。 そのうちの大半がありきたりな生活描写で済まされてしまう。 唯一の山場といえる、主人公とヒロインの事業の妨害イベントもあっさりと解決してしまい、盛り上がるところがほとんどない。 個別シナリオも内容はスカスカであり、そのくせ作中の伏線らしきものはぶん投げているのだから始末に悪い。 ヒロインたちのしていたダンス練習は成果を披露することなく、妨害イベントの裏で暗躍していたキャラのことは未解決のまま。 次期家長になるべく頑張っていた主人公が、結局家長になれたかも正確にはわからない(ルートによってはおまけシナリオ推測はできる)。 幸いCGやBGMに問題はなかったものの、10周年記念作としてはファンの期待を裏切る残念な結果に終わってしまった。 面影レイルバックの選評の後。スレでは本年頭のような静寂が再び訪れる。 ハンターの目につくクソゲーが見当たらなかったのか。 はたまた、すでに並んだクソゲーの破壊力に、選評を書く手が止まってしまったのか。 静寂を破るのは一月半後、2017年も終わろうかという年の暮れ。 大晦日に投下されたのは、Mielが12/31に発売したロープライスゲーム『文芸彼女と僕二人だけの愛の巣だった部室にヤリチンが入部してきた!(通称、文チン)』の選評であった。 発売日と同日に選評の投下。この時点で勘の良い人は察しただろうが、本作のポイントは「薄さ」である。 174MBという軽量級の作品であることに加え、寝取られ前の交際描写も「目玉焼きに黒蜜が意外と合う」「バイト始めました」といったどうでもいい話ばかり。 付き合う経緯は三行で済まされ、まともなデートシーンもないまま間男の登場となる。 これでは主人公への感情移入やヒロインへの思い入れといった、NTRゲーに重要な心構えなどできるはずもなく。 あっさり永久肉奴隷となるヒロインにプレイヤーは、「堕ちるの早くない?」と呆然とするのであった。 選択肢が一切なく、フルスキップによる所要時間はなんと25秒。 DL版ということで文鎮にもならない皮肉も込めて、薄さを追求したこのゲームは選評者から『文チン』と呼ばれるのであった。 以上が2017年内に選評が提出されたゲームである。ここからは、ロスタイムとも言うべき1月に選評が提出された二つの作品を紹介しよう。 まずひとつが、女体化三国志を舞台にした作品、BaseSonの『真・恋姫†夢想-革命- 蒼天の覇王』である。 公式に「真・恋姫†無双のリメイクではない」「新たな恋姫シリーズのリブート(再起動)である」と謳われている本作であるが、これは大嘘。 実際は過去作である『真・恋姫†無双』の魏・呉・蜀のうち、魏ルートのグラフィックを刷新して、新キャラ・新エピソード・新曲を追加したものである。 もちろん、全体的な内容や主要イベントが違えば「リメイクではない」も通る。 だが、残念ながら主要イベントも大半のテキストもほぼコピペ。 個別エピソードも旧キャラのものは8割使い回しとなれば、どう見ても旧作の1/3だけリメイクしたものと言わざるをえないだろう。 さて、本作の見どころとも言える新エピソードだが、こちらには、旧作からコピペした部分と噛み合っていないという問題がある。 例えば、「現代日本出身で三国志について知っている主人公が、生半可な知識を振り回して失態を犯し、反省して一から勉強し直す」という新イベントの直後に「三国志知識でヒロインの危機を救う」という旧エピソードが来てしまう。 他にも、いくらでも膨らませられそうな新イベントがあるにも関わらず、以後のシナリオに活かせられない展開が多い。 擁護しておくと、ひとつひとつの話自体は旧エピソードも新エピソードも面白く、新エピソードだけでもそれなりのボリュームがある。 だからこそ自ら魅力を潰すようなその愚行に、シリーズファンは萌将伝以来の涙をこらえきれない有様であった。 もう一つのロスタイム作品も、同じく人気過去作に連なる新作であった。Galetteより発売の、『お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!2(以下、おに禁2)』である。 良質な抜きゲーとして好評を博し、2014年萌えゲーアワード金賞を受賞した前作の正統続編が登場。 だが前作から原画・シナリオ・声優を全てチェンジするという暴挙に出た。 それでも品質に問題がなければまだ救いはあったが、実際は音声やグラフィック、シナリオのミスが非常に多い。 まず交代後の声優の演技力があまりにも酷く、中には素人レベルの棒読みも混ざっている。 しかもその声すら再生されないバグが頻出し、酷いものは収録現場でのNGボイスが20分ほどノーカットで流れてしまうほどだ。 本作は主人公が妹を守り、右手に後遺症が残るレベルの怪我をして、そのお世話という名目で妹となんやかんやするエロゲーである。 だが、実際にゲームを進めていくと包帯越しに湯船につけた右手でおっぱいを鷲掴みしていたり、包帯が消えた手でヒロインを駅弁スタイルで抱いたり、いきなり怪我が左手に移動したりとコロコロ変わる。 もちろん、このような整合性の無さは右手に限ったことではなく、ブルー(立ち絵ではイエロー)の水着や、急カーブ(CGではまっすぐ)といったテキストとイラストの食い違いが非常に多い。 さらに11家族(7人)、主人公名の裕人(祐人)(裕二)などの誤字脱字は軽く50箇所を超えており、そのちぐはぐさは社会人のPDCAの大切さを痛感させてくれる。 一応修正パッチも公開されているのだが、「setup.exeをインストールフォルダのsetup.exe(存在しない)に上書きして下さい」というものであり、もちろんゲーム内容のまともな改善など行われない有様だ。 まともに前作スタッフが残っていないのに、何故続編を出そうと思ったのか。疑問が尽きない一作であった。 さて、ロスタイム作品の紹介を終え、これにて全エントリー作品の紹介を終えた。 ここで2017年KOTYeの大賞と次点を発表しよう。 次点は 「タンテイセブン」 「お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!2」 そして大賞は、 「ママとの甘い性活Ⅱ」 とする。 本年は総じて「手抜き」と「薄さ」に注目される一年であった。 キャラの掘り下げを放棄し、シナリオの謎や伏線を放置し、どうでも良いテキストで水増しし、時には自ら用意したコンセプトすら投げ捨てる。 エロゲーというものは基本的に買い切り型である。 体験版というものこそあるが、基本的には宣伝やいくつかのサンプルを信じて購入するしかない。 それ故に表面を上手く取り繕われてしまうと、宣伝の上手さや前作の評判に釣られ、手抜きゲーを掴まされるという悲劇が起こる。 タンテイセブンは、いかにも魅力的なシステムやシナリオを装って。 おに禁2は、前作の魅力という信頼を裏切って。 それぞれ手抜きした、薄く低品質なゲームを売りつけた。 このような表面を取り繕った手抜きというものは、短期的な利益に釣られた他のメーカーが右に倣う危険性すら孕んでいる。 もしこのような手法が蔓延すれば、ユーザーは買い控えに回り、結果としてエロゲ業界全体の衰退という事態が進むばかりとなる。 その点、ママⅡは違う。 宣伝やサンプルの時点で最大のクソポイントを自ら明示し、きちんと納得したものにのみ購入させるその漢らしい在り方。 その上で、ひと目見ただけで誰もが認めるクソの完成度。 これらは文句なくクソゲーでありながら、他メーカーが真似しようという考えはとても浮かばない。 KOTYeはクソゲーについて語るスレだが、良ゲーが減ることやエロゲ業界の衰退を望むものでは決してない。 故に、一切のだまし討ちをしない漢らしいクソゲー「ママとの甘い性活Ⅱ」に大賞の栄誉を与えたい。 繰り返すが、エロゲーというものは基本的に買い切り型である。 だからこそユーザーは失敗を恐れずエロゲーを買い、メーカーは失敗を恐れず良いと思うものを全力で作ってもらいたい。 その結果生まれる怨嗟の声は、ここで引き受けよう。 本年はエントリー作品の少ない一年であった。 だが私にはクソゲーが減ったからだとは思えない。 怨嗟の声を懐きながら、過去のクソゲーと比較して遠慮した人よ。文章に出来ないと諦めた人よ。 もしもそんな人がいたならば、勇気を持って選評を書いていただきたい。 下手なものになってもかまわない。 失敗を恐れない勇気、それはエロゲー業界も、KOTYeも平等に輝かせるものなのだから。 さて、何度もつまずきながら、何度も起き上がる強さを持った少年の言葉を持って本年を結びたい。 「一番いけないのは自分なんかだめだと思いこむことだよ」
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2011総評案3 大賞 修羅恋~SeeYouLover~ クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 27本目 338 名前: 総評3(早漏)の人 ◇PRFQr1KM0 [sage] 投稿日: 2012/02/01(水) 20 24 02.89 ID PRFQr1KM0 ↓ ↓ ↓ 365 名前: 総評3(早漏)の人 ◆ok0SB9iTMs [sage] 投稿日: 2012/02/01(水) 22 34 39.43 ID PRFQr1KM0 …想い返せば、2010年エロゲ業界は混迷の中にあった。大手の低調、場外乱闘に精を出す開発者、特出したクソゲーの不在…、 そんな中、最後までゲームというリングを降りずに光輝かんと戦い続けた無名の漢女『色に出でにけり わが恋は』のファイトは 人々から多くの賞賛を受け、見事大賞という栄光を掴み取った。昨今では珍しい、汗と泥に塗れた勝利と言えよう。 …そんな昨年と比較するならば、2011年は世代交代と新時代の幕開けを感じずにはいられない1年だったと断言できる。 一番槍を狙って現れたのは、昨年『熟処女』で一躍名を響かせたHammerheadsとは同会社別ブランドに位置するmuscadetの『令嬢の秘蜜』。 媚薬入りの紅茶を飲んで飲ませて猿のようにひたすら対象キャラとHをしていくという、申し訳程度に入れた感漂うシナリオに加え、 音声が重複して再生されるバグ、差分が一切ないため最初から射精したCGで始まるHシーンなど、どこをとっても低クオリティ甚だしい。 公式ページに至っては、本作を「令嬢の秘密」と誤明記したまま放置しパッチも出さないというヤリ捨てっぷりであり、 住民からは「抜きゲーだと思ったら、手抜きゲーだった」とバッサリ言葉責めされる有様となった。 シルエットの『コイ★カツ!』も、派手さはないが印象に残る1本である。 686MBという低容量が織り成すのは「恋愛がしたい」というヒロイン達に対し、Hに到るまで恋愛らしいシーンを一切挟まないスピーディな構成。 更にHシーンはCGでは半脱ぎなのにテキストでは全裸など、絵と文章の整合性を放棄することで水増しを図るという大胆な手抜きをやってのけている。 加えて音楽はMIDIかと思うほどにチープで、声優は素人レベルのぎこちなさと、隙のないところがどこにもないという低品質ぶりを見せ付けてくれた。 しかし安心して遊べるお手本のようなクソゲーという好意的意見もあり、2011年の数少ない清涼剤という立ち位置を手にしたのは救いと言える。 このように上半期を顧みると、品質を上げる気を最初から放棄したような作品が集中した傾向にある。その他を見ると、 フルプライスのCG集におまけでバトル要素を入れただけと評された『ろーるぷれいんぐがーる!!』、 10時間程度でコンプ可能な短さに加え作中設定の矛盾など詰めの甘さを随所に残す『シークレットゲーム CODE Revise』あたりは、 遊ぶ「だけ」なら大きな問題はないため強烈な印象を残すには至らず、 一部のルートに入ると主人公が何の脈絡もなく別の男に変わるという主人公詐称を事前告知なしでやらかす等で、信者をリミットブレイクさせた 『White -blanche comme la lune-』は、炎上騒動こそ起きたが鎮火後は期待から外れた無難な酷さという評価に落ち着いた。 KOTYe的に平和が訪れるのは喜ばしいことだが、心の底で前年から続くクソゲー不況を吹き飛ばす逸材を求めていたのもまた事実である。 そんな平穏の日々が瓦解したのは未踏の地から現れた突然変異種・3D勢の侵攻だった。 その先駆けとなったのがTEATIMEの『修羅恋~SeeYouLover~』。 フル3Dエロゲという独自の路線を「此処ではない何処か」に突き進む生き様から一部で熱狂的ファンを抱えるTEATIME。 ひょんなことから選評が届き検証が行われたのだが、その結果…「修羅」の名に恥じない決戦兵器であることが判明した。 本作は街中で女性キャラを口説き落とすというナンパ風ADVなのだが、その過程の部分に恋愛という概念を殆ど入れていない上に、 シナリオと呼べる物すら存在しないため、プレイヤーはスタート以降ずっと仏像に話しかけるかのような虚無感に捉われ続ける。 歩き回れる街はWin95時代を思わせる程のハリボテCGで、移動できる場所も極端に狭いため箱庭の隅を突付くFPS的楽しさは皆無に等しい。 ゲームの売りの1つである主人公を取り合う「修羅場」イベントは、体力制の罵りあいバトルなのだが、小学生の口喧嘩並みにボキャブラリーが貧弱で、 1度の修羅場イベントで同じ掛け合いが何度も出てくる。果てには「ゲージを上げて物理で殴り合う」という事態に発展する。 肝心のHシーンも、興奮するどころか哀愁が漂うという領域の出来で、更にシナリオなしという仕様上感情移入の余地すらないため、 プレイヤーはじっと見ているうちにマンネリを超越して虚無の境地に至り、果てに悟りが開けるのではという錯覚に支配される。 3Dフルポリゴンという、他では中々見られない視覚的優位性と斬新さを兼ね備えながら、その特性を何も活かせていない骨太の誰得仕様は、 KOTYe住民をもってして「何だろう、これは…」と感嘆させ、その圧倒的存在を遺憾なく知らしめた。 未曾有の震災の爪跡が未だ色濃い4月、姿を現したのはPurple software delightの『Primary Step』。 『Orange Memories』から約半年、信者から見限られ始めるなどすっかり劣勢に立たされた紫だったが、やはり彼らは彼らだった。 発売直後、パッチを当てないと1人しか攻略不可という大空振りで一抹の望みを託していた信者を瞬時に失望させる予定調和を発揮。 シナリオは相変わらず地ならしをしたかのように平坦でオチも山場もなく、矛盾だらけの会話や伏線のブン投げは当たり前。 朝から昼までの時間経過を「ぐるぐるーっと短針が四周ほど」テストの点差を「二桁は軽く違った」と表現する等、国語どころか算数すら出来ていない。 総CGは61枚と前作より更に減少、絵は作画崩壊を含め軒並み劣化、NG音声の残骸放置と、正直褒める所を見出すことが困難な惨状で、 今日まで好意的に解釈できる部分を模索し続けていた紫信者が「ごらんのむらさきだよ」という慟哭を遺し白旗を挙げた姿が印象深い。 4月にはもう一本、注目を集めたのがKLEINの『勇者と彼女に花束を』。体験版の時点で音量や声が小さすぎてまるで聞こえない、 作画の崩壊、エラー落ちするなど「地雷である事を売りにしたいのか」と囁かれるほどの大器の片鱗を見せていたが、製品版では輪を掛けて酷くなっていた。 特定のルートが進行不可、BGMや音声が聞こえなくなる、見たのに登録されないCGなどガタガタなシステム面。常時崩壊気味なキャラ絵と背景。 ただつまらないだけならまだしも「それから数日後…」といった表現を多投して時間軸を強引に飛ばして各パートを繋げただけの超構成シナリオ…。 パッチもただ問題を改善するだけに止まらず、キャラの立ち絵が限りなく別人に近い同一人物に劣化したり、体験版に製品版用パッチを当てると エピローグまでプレイ可能な簡易製品版に進化するなど他のメーカーと一味違う修正内容となっている。 一口にクソゲーといっても様々な種類があるが、『花束』は「ゲームを構成する要素全てが満遍なく酷い」という全方位死角なしの逸材であった。 5月に大きな話題を集めたのが、パッチが来なければ大賞の逸材と囁かれたコンプリーツの『まままーじゃん』。 訓練された人間なら、『エロゲ+脱衣麻雀』という邪神融合がどれ程の災厄をもたらすかは容易に予測できるが、2年以上の長期熟成を経て 遂に花開いた本作は、回想モードなし、途中セーブなし、半荘1回で脱がせられるのは最下位のキャラだけで1枚ずつのストレスフルな泥沼仕様を搭載。 テキスト誤植や音声バグといった定番の問題。点数計算の異常、単騎ツモで平和成立、親が誰であろうと切り出しは主人公からといったルール崩壊。 さらに嶺上開花を上がった瞬間ゲームが止まる『フリーズ和了』や、大明槓後に牌の数がバグり半荘終了まで手牌表示がおかしくなる『ネオ亜空カン』、 下家の捨牌が消滅する『亜空河』、誤カンして動作不能になる『カン違い』など超次元殺法も完備である。 それでも再三のパッチでセーブ可能になるなど問題点の幾つかは改善し何とか駄ゲーの評価まで持ち直したのは購入者にとって幸いといえる。 だが5月最大の地雷は奇しくも『ままま』と同じ日に発売されていたTEATIMEの隠し玉『恋愛+H』である。 本作は、「フリーズ」や「音声ミス」といった月並みな不具合が霞むほどの牙を隠し持っていた。なんとこれも「セーブ機能未搭載」なのだ。 それは起動したが最後、終了するかフリーズが起きるまで延々デスマーチが確定する戦慄仕様ADVであることを意味する。 問題点はそれだけでは済まない。70以上と謳われたHシーンの体位は無理矢理再現しただけの物理法則を無視したモーションばかりで、 しかも変更する度に性格までランダムに変化するので受けMの彼女が一転ドSに豹変するなどは日常茶飯事。 システム面は場面が移り変わるたびにロードが頻発し、PCの音声レートを調整しないと起動ができなかったりと欠陥だらけ。 操作性が悪すぎて難易度が異常なミニゲームなど、パッチが1~2つ当たっても到底直しきれない欠点を大量に内包しており、 選評者をして「恋愛ゲームに何をどうプラスしたらこんな出来になるのか」と言わしめたのは見事という他ない。 後日セーブ枠が1個だけ搭載されなんとか祭りは収束したが、『修羅恋』と合わせ、KOTYeの新時代を感じさせる迷作と支持を集める結果となった。 また、同日にはFC時代を髣髴とさせる糞バランス&バグ満載の駄RPG『変態勇者の中出し英雄記』、アーベルがこっそり別ブランドで出した 旧世代イチャラブ育成ADV『美衣菜△です!』、そのフルクオリティの全てをスカグロに集約させたクソゲーならぬ糞ゲー『STARLESS』が 発売されている。この3つは前述の『ままま』『恋愛+H』に比べればやや物足りない感は否めないが、たった1日でKOTYeエントリー級が5作も 生まれるという当たり月となり2011年の5/27はKOTYe民にとって記録に残る1日となった…。 大盛況の上半期に比べると、下半期の立ち上がりは比較的大人しかった。住民は束の間の一服を取るとともに、 『Primary Step』もパッチで簡易製品版になるといった発見をしながら猛暑の日々をそれなりに楽しく過ごしていた。 流れが変わったのは8月末…、KOTYe界の信頼と実績の安打製造機、09年の『MQ』以降5打席5クソゲーというハイアベレージをひた走る アーべルソフトウェアの『ゾンビの同級生はプリンセス ~不死人ディテクティブ~』。 フルプライスでボイスなし、全4話中2話までしか入っておらず追加シナリオはアドオンというアーベルISMは本作でも健在。 文章中の色違い部分をクリックすることで別チャートに移行するという仕様だが、スキップするとポイントを素通りしてしまう上に バックログからは動作を受け付けないので実質スキップ不可でこまめなセーブと慎重なクリックが必須という、 相変わらずゲーム性っぽい何かを入れようとして既読の進行すら苦行になる仕様と化している。 シナリオに関しては上述のシステムが完全に足を引っ張っているのは勿論だが、キャラ視点がめまぐるしく変わるという謎構成と相まって、 面白い面白くない以前に読み進めるのが困難過ぎて理解できないという出来。さらに追加アドオンも3話までで打ち切りという隙のなさ。 何故同じ過ちを何年も繰り返すのか…もはやアーベルだからとしか答えようがないのはやはり『別格』といえよう。 9月に注目を集めたのは名作の出涸らし『水夏弐律』…ではなく、Poison@Berryの『プリンセスX~僕の許嫁はモンスターっ娘!?~』。 ハーレムラブコメを謳いながら、実際には許婚排除の破壊活動や自分を選ばなければ世界を滅ぼすなどと脅迫するヒロイン勢など 無駄にリアルで気が休まる暇がないコメディはほんの序の口、真の問題は攻略不可のヒロインや攻略=Badエンド等の誰得シナリオと、 ドラム缶とのHシーンやウルトラマンサイズの巨大娘との体内侵入ファックなどモンスター娘以外の誰得シーンを充実させたことである。 全体のクオリティはギリギリ及第点だが、特殊嗜好者向けのゲームなのにその特殊嗜好者の期待を裏切り逆に地獄を見せるという姿勢は スレ内でも大きな波紋を呼んだ。好意的に解釈するならば「新性癖開眼ソフト」かもしれないが、そこは先に公表しておくべきであろう。 そして迎えた年末、スレ民に強力な暴風雪が吹き荒れた。その名はsofthouse-seal。 『変態勇者』でその片鱗を見せ、2011年度には別ブランドを含めなんと20作品以上を世に送り出した猛者である。 その口火を切ったのは『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』。 ダンジョンRPGでありながら、ダンジョンに潜る前に確実にエラー落ちするという開かずの扉をパッチという名の鍵で開けることから全ては始まった。 戦闘パートは真っ暗の背景、姿や名前が同じでも別モンスター扱いの敵、行動順や経験値バーといった機能が未実装のまま残骸だけが空しく放置、 オートマッピング以前にマップ表示がなかったり、スキル説明で誤表記があるなどシステム面もガタガタである。 戦闘バランスはお金さえあれば序盤でもチート級の最強武器を手に入れられるため、あってないが如し。 キャラの立ち絵が当然変わる、そもそも何故地下に潜るのか作中で説明していない、挙句条件次第でラスボスがランダムエンカウントで現れ 例え逃げてもエンディングが見れるなど問題点の羅列だけで原稿用紙がどんどん埋まっていくほど突っ込み所が満載である。 2000円という低価格ソフトだが、この作品を高評価できる猛者が地球上にどれだけ存在するかは未知数である…。 それから僅か2週間後、第二の風が吹き荒れる。別ブランドDeVil sealから現れた『淫刻の虜姫 ~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~』。 ありがちな調教系ADVに何をトチ狂ったか化石時代のRPG要素を付与した本作。ダンジョンにはマップという概念がなく、 延々先へ進むか戻るかの2択を選び続けるだけ。装備品という概念もなければ魔法やスキルといった概念もない。 パッチを当てないと50階以降先に進めない上に、パッチを当てると別の条件で進行不能になるなど油断も隙もない。 結局プレイヤーがする事といえば、ただひたすら虚無感に耐えながらボタンをハイパーオリンピックのように連打し続けるぐらいである。 様々なジャンルに挑戦するという心意気は結構だが、欲張って作りを疎かにしては本末転倒だということは学習していただきたい。 そんなsealが本年度に残した最後の暴風は『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』。 ヒロイン達に殺された主人公が幽霊となり学校の怪談で仕返しをしていくという設定なのだが、簡潔に言うと、かの迷作『大奥記』の劣化である。 ほぼノーヒントで操作性最悪なただっ広いマップを延々ウロウロしながら情報やアイテムを得ていくという苦行、キャラが消えるバグ、 マップ移動には時間の概念があり、迷ったら最後目的を達成するのは極めて難しくなる等進行の不便さ。 前述の2作に比べると強烈なインパクトはないが、安定して手堅くプレイヤーを苦しめる仕様は流石というべきか…。 2011年を振り返ると、名門、古豪、新鋭、三次元と様々な所から特色溢れるゲームが跋扈するバラエティに富んだ1年となった。 そんな激動の1年に次点入賞を果たしたのは、『ゾンビの同級生はプリンセス ~不死人ディテクティブ~』、『恋愛+H』、 『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』。 そして大賞は…、『修羅恋~SeeYouLover~』とする。 本作が、この大乱戦の中にあって唯一無二に讃えられる特質…それは「酷すぎて面白い完成されたクソ」という一点に尽きる。 次点の『ゾンビ』『恋愛+H』『学園迷宮』などは、確かにクソゲーとしても一級品だが、問題点の殆どが未完成によるものであり、 開発途中のものを適当につなげて発売した感は否めず中途半端な印象を拭いきれてはいない。どのネタも一回失笑して終わるレベルだ。 対して『修羅恋』は、粗過ぎる出来や劣悪な仕様の全てが神掛かったアンバランスの上でシュールな笑いに昇華されており、 クソゲーだと理解していながら無駄に遊んでしまいそうな魔性の力を秘めている点が高く評価された。 表面的な問題だけなら本作を越えるものはあるかもしれない。しかし「クソゲーを笑いやネタに昇華して楽しむ」というコンセプトを持つ KOTYにおいては、この作品こそ大賞の栄誉を与えるに相応しい『修羅』と言えよう。 2011年KOTYeもまた、希望が残っていないパンドラの箱の隅を突付くかのような苦難と波乱に満ちた1年だった。 言うまでもなく、本来クソゲーとはひとたび出れば多くの人々が悲しむ悪鬼である。しかし近年においてクソゲーは飽和状態が進み、 エロゲ業界もまた、一芸特化より総合力…悪く言えば器用貧乏に欠点を積み重ねるだけの駄作が中心になりつつあった感は否めない。 半端なバグゲーや未完成商法では満足できない住民達が増える一方で、クソではあるが笑いやネタに昇華する価値すらないゲームが乱立する…。 そういった背景もあり、2011年は人々の導き手となりうる作品が求められていたのは間違いない。 そんな中、出来の悪さもさることながら修正時に簡易製品版に進化するというパッチの新たな可能性を生み出した『Primary』と『花束』。 低価格帯ながらその無駄な活動力だけは高く賞賛されたsofthouse-sealの『学園迷宮』ほか作品群。 リアルより酷い3次元を構築することに成功した『修羅恋』『恋愛+H』は年間を通じても大きな功績を果たしたといえる。 日進月歩…。そんなことを感じずにはいられない1年となった。 最後に『修羅恋~SeeYouLover~』と名作『シグルイ』の言葉を借りる事で2011年クソゲーオブザイヤーinエロゲーを締めくくりたいと思う。 「愛することから全ては始まる。正気にては恋路ならず。修羅の恋とは 愛狂い也」 過去のコメントはコチラ
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Park Inc (パーキング・ロット) 【ぱーく いんく ぱーきんぐ ろっと】 ジャンル パズル 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売・開発元 Pix Arts 発売日 2021年4月22日 定価 349円 プレイ人数 1人 セーブデータ なし レーティング IARC 3+ 備考 日本語非対応携帯モード専用 判定 クソゲー ポイント 終わり無き虚無どう見ても体験版未満 概要 システム 問題点 評価点? 総評 余談 Can you unpark them all? 「あなたはすべての駐車場を解除することができますか?」 概要 2012年からスマートフォン及びPC向けのゲームを開発し、Xbox One、Nintendo Switch、PS4へと 迷惑極まりない 移植を続けるインディーズデベロッパー「Pix Arts」がNintendo Switchで発売した携帯モード専用のパズルゲーム。 駐車場を舞台に、車を脱出させてステージを進めていく。 2019年よりMac OS向けに販売されている『Park Them Off』の移植作。本項ではSwitch版のみを扱う。 システム 駐車場には車が縦または横方向に入り組むように駐車されている。壁と障害物が置かれているため、基本的に1台ずつ脱出させる必要がある。 車は前進かバックしかできず、壁や障害物、他の車にぶつかる方向へは進めない。 黒いフェンスは一定時間ごとに下がったり戻ったりを繰り返す。 駐車場から全ての車を脱出させるとステージクリア。次のステージへと進む。 ミスや制限時間は無く、車は何回ぶつけても、元の位置に戻してもOK。ぶつけることで他の車を通せるようになるステージも多い。 ステージクリア時にコインが入手できる。 問題点 難易度が低すぎる 全体的に難易度が非常に低く、パズルゲームが苦手な人ですら速攻で飽きる事請け合い。 開始時点でどの車も脱出させられる、ほとんど何も考えずにクリアできるチュートリアルのようなステージも少なくない。水増しに思えてくる。 上下動するフェンス以外にギミックがないのも単調さに拍車を掛けている。 無限ループ 商品紹介ページでは150以上のステージを売り文句としているが、使い回しが散見される。 それどころか、本作には終わりが無い。ステージ160あたりでランダムでステージ1と同じチュートリアルに戻り、ステージ1からのループが延々と繰り返される。キャッチコピーに対する答えは残念ながらノー。 セーブ非対応 大量のステージを売り文句としておきながら、進行状況が保存できないのは致命的。 Pix Artsのタイトルはセーブ非対応のものが多いが、よりによってパズルゲームでそれはあんまりである。 操作性が悪い 前後に連なっている車や壁の後ろの車の反応が悪く、タッチ判定が狭い上にゆっくりなぞらないと反応しない。 低難度なのにテンポが悪いという苦痛な内容となっている。 オブジェクト消失バグ ステージクリア時に表示される「Next」を早押しすると次のステージの障害物が全て消滅してしまう。 真面目に遊びたいのならワンテンポ置いてからタッチする必要があり、ここでもテンポが悪化する。 その他 コインは手に入れても使い道が無く、累計額も分からない。 本サイトでクソゲーと判定されたゲームには他にもコインの使い道が無いものがあるが、累計額が把握できないなど前代未聞。 カメラワークもやや違和感を覚える。 駐車場は前から見た視点だが、最前列の道路を走る車は逆方向から見たような構図となっている。真上から広角レンズを通して視るような感覚。 BGMも音量が小さくループの短い単調なもののため眠気を誘う。 BGMを大きくしようとしてもコインの効果音が大きくなりすぎで、音量バランスも悪い。 評価点? 親しみやすいデザイン 時々回転する道路標識やドーナツ状の看板などは、可愛らしく凝ったデザインをしている。 もっとも、デザイン面はあくまでアセット制作者の苦労によるもので(余談項参照)、本作メーカーの功績ではない。 ロードは無いに等しい。ゲームテンポ自体は前述の通りだが。 総評 値段不相応以前にゲームとして楽しめるポイントが皆無で、無料でもお断りと言って良いレベル。こんなものが商品として出回っていることには驚かざるを得ない。 価格の安さと可愛げのあるデザインによってつい手を出してしまう人も居るのかもしれないが、ゲームを買う際にはメーカーについても最低限調べておくべきだと改めて教えてくれる一作といえる。 余談 アセットフリップ 本作はゲームエンジンとしてUnityを活用している。しかし、ゲーム全編を通してUnity製のアセットの『Park Inc』をサンプルのステージごと流用している。 このアセットを流用したゲームは他にもいくつかあるが、それらはどれもスマートフォン向けに無料で配信されている。 それら無料アプリの多くも何かしらの問題は抱えているが、どれもセーブには対応している。中には本作よりもよっぽど遊びやすく、コインで車の色を変更出来るものもあるため、本作の存在意義は限りなくゼロに近い。 サンプルの難易度の低さも、本来は開発者向けにこのアセットを使ってどういったステージを制作できるかを示す、いわば「ゲーム開発者に向けてのチュートリアル」であるためと推測できる。つまり、本作の最大の問題点は本来ゲームソフトとして作られてはいないものを販売してしまったこと。これでは全編チュートリアル級の難易度でも不思議ではない。 その他 eショップのスクリーンショットではリプレイ機能があるように見えるが、これはMac版のスクリーンショットを流用しているためで、Switch版にリプレイ機能はない。
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覚悟のススメ 【かくごのすすめ】 ジャンル 格闘アクション 対応機種 プレイステーション 発売元 トミー 開発元 カンズ、ドラグネット 発売日 1997年3月28日 定価 5,800円 判定 クソゲー ポイント ファミ通クロスレビュー15点ロードが無駄に長いなのに何もかもが薄っぺらい一発当てて逃げまくるだけで勝利なんだか知らんがとにかく悪し! 概要 特徴 問題点 評価点 総評 余談 概要 「シグルイ」などでも知られる山口貴由原作の傑作漫画「覚悟のススメ」を原作にした対戦格闘ゲーム。 核戦争と環境汚染によって荒廃した東京を舞台に、旧日本軍で編み出された最強の格闘技「零式防衛術」、及び「強化外骨格」(特撮のスーツのような鎧)を武器に、人を守るために戦う葉隠覚悟の物語である。 強さ・正義を大きく打ち出した独特の台詞回しや、最後までテンポの良いストーリーなどが高く評価されており、コアなファンも多い。 原作はグロ、エロ、バイオレンス満載だが、当ゲームは全年齢対象の為表現はマイルド。 特徴 ゲームモードは「ストーリーモード」と「VSモード」の2つ。 ストーリーモードは選んだ1人のキャラで残りのキャラ6人と総当たりで戦っていくモード。 VSモードは操作キャラと対戦キャラを自由に選べるフリー対戦モード。 3Dキャラが奥行の無いフィールドで戦う、実質2D格闘ゲーム。軸移動はない。 画面端の概念が無く、前も後ろも延々とフィールドが続いている。 難しいコマンド入力無しで各キャラ飛び道具攻撃と対空技が出す事ができる。必殺技もボタンの同時押しでいつでも可能。 オプションに「覚悟モード」の項目があり、これをONにすると各項目の名称や文字の表示が原作に沿った表現に切り替わる。 問題点 登場キャラが少ない。主人公の覚悟(強化外骨格・零)、ラスボスであり覚悟の兄である散(強化外骨格・霞)、覚悟・散の父である朧(強化外骨格・雹)、散の部下である血髑髏、知久、ボルト、そしてヒロインの罪子という7人のみ。隠しキャラはいない。 ボルトは居るのにライはいない。戦術鬼(特撮物でいうところの怪人)や腑露舞はサイズ的に無理だったり、我利冷夫や影成など原作で戦闘らしい戦闘をしてないキャラはともかく、中盤の好敵手的役割だったライが居ないのは物足りない。 強化外骨格の3人は未装着状態を選んで戦う事はできない。ファンとしては戦闘中に着脱できる形を望んだはず。 原作の覚悟は未装着状態でも戦闘シーンが多く、「瞬脱装甲弾」という強化外骨格を飛び道具のように打ち出す技も持っていた。他にも零式鉄球を用いた技などやりようは多くあったはずなのだが…。 零式鉄球は原作に登場した特殊装備で、覚悟たちの身体に打ち込まれている。攻防両面に用いられ、これを体内に吸引することで身体を鉄鋼化することも可能。散は五体を分断された際に、全身を鉄鋼化して結合させるという荒業も見せた。一発逆転の要素としても映えると思うのだが…。 知久は、説明書の挿絵では人の姿なのに、実際に使えるのはライオン形態のみ。対戦相手の場合、動物虐待をしているような気持ちにすらさせる。 物語が全然語られないストーリーモード。それぞれ 対戦前に一言ボイスだけ 。 エンディングもスタッフロール後にキャラの一枚絵が出るだけ。これのどこがストーリーだというのか。 ヒロインが戦う理由も全くの謎。 原作で「敵の策略で捕われたヒロインが、戦術鬼に改造されて主人公と戦う」という展開はあった。だが、このゲームに出ているのはそっちVer.ではなく全く平時のヒロインである。強化外骨格と互角にやり合う生身の女の子を出す意味が分からない…が、強いて言うならボイスに価値がある程度。 故に「原作との違い」すらも探すことが難しい。 強いて言うなら「全部違う」 と言っても過言ではない。 格闘ゲームとしての戦略性、面白みが一切無い。 覚悟であれば必殺技でもある「因果」を決めたいところだが、原作通りなカウンター技という性質上(そもそも判定も微妙だが)決めにくい技になっている。 「因果」を狙うくらいならパンチコンボを連発していた方が確実に勝てる。 その一方で散の大技であるはずの「螺旋」はボタン一つのお手軽さ。 体力ゲージの他にダウンメーターがあるが、これが全くと言っていいほど意味をなしていない。ダメージでゲージが溜まり一杯になるとダウンするようだが、大技を当てるだけでも相手は普通にダウンする。 画面端が無いので、ある程度ダメージを与えて 制限時間いっぱい逃げる という卑怯な手段が通用してしまう。 グラフィックが微妙 テクスチャべた貼りの地面がどこまでも続き、辛うじて世界観を意識したであろうウゴウゴしている空。いくら荒廃した世界だからと言ってあまりにも手抜きである。 技の見た目が地味すぎる。「因果」も出たかどうかわからない程度の見た目。 キャラの出来もお察しの通りのレベル。モーションもぎこちなくカクカクしている。 各キャラの身長や体格もまるごと無視。 罪子や血髑髏はどう考えてもデカい。原作では覚悟の4倍以上の体格のボルトですら他キャラより少し大きい程度。 キャラ選択画面、及び試合前後の画像は SFC並みの汚さ 。 余談ではあるが負けた時の顔がギャグ(知久など)とシリアス(血みどろの朧)の差が激しい。 その他の問題点 原作ファンならば間違いなくONにするであろう「覚悟モード」が 何故かデフォルトではOFF 。むしろオプションで選択させる意図もわからない。 ロードが長い。一キャラ戦うごとにロードが挟まる。そこまで読み込みを必要とするレベルのグラフィックでは無いのに、である。 何故かずっと螺旋の構えの散。もちろん螺旋が決まっても腸は出ない(*1)。即死技のハズだが食らってもみんな元気そうである。 ゲームモードとキャラクターが少ないため、すぐ飽きてしまう。 評価点 唯一、ボイスには価値がある。 試合前の一言と掛け声、必殺技名くらいしかないが。 総評 「キャラ物格闘ゲームにあたりなし」の法則をきちんと守るゲーム。 カクカクしたポリゴンキャラを殴り合わせて一枚絵を見るだけの、苦行とも言えない作業。しかしその作業もあっと言う間に終了を迎える。なぜなら これ以上できることがない のだ。 原作の熱い台詞と裏腹に、あまりにも薄い内容に零式鉄球を食らわせたくなること間違い無しの一品。 「雑草という名の草などない!」しかし、クソゲーという名のキャラゲーはあった。 余談 『マンガ夜話』という本(*2)のvol.11にて「覚悟のススメ」について述べられた際、このゲームに関しても触れられたのだが、「残念ながら出来がよくない」「技が少ない」「ヒロインと戦う理由づけがされず展開が理不尽」「 ゲームとしての面白さがまったく感じられない 」「典型的なキャラゲー」と評された。 「覚悟のススメ」はOVA化もされており、そちらでは原作者の山口氏自ら作詞をしていた。ゲームに関してはまったくのノータッチだったのだろうか? ファミ通クロスレビューではわずか15点。『THE MASTERS FIGHTER』、『バトルマスター』(1998年1月/たき工房)、『修羅の門 (PS)』にも劣らぬ低評価である。
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ソード・オブ・ソダン 【そーど・おぶ・そだん】 ジャンル アクション 対応機種 メガドライブ メディア 4MbitROMカートリッジ 発売元 セガ・エンタープライゼス 開発元 Innerprise Software 発売日 1991年10月11日 定価 6,000円(税抜) 備考 18歳未満禁止ソフト相応 判定 クソゲー ポイント 通称「帝王ソダン」CERO Zにも収まらないゴア描写酷い劣化移植劣悪な操作性かなり死にやすい薬のつかいかたによっては…? WARNING!!!!!!! グロ要素満載のゲームです。 概要 あらすじ 評価点 問題点 賛否両論点 総評 余談 概要 洋ゲーからの移植物。 横スクロールの2Dアクションであり、主人公は男性(ボルダン)と女性(シャルダン)の二人から選べる。タイトルの「ソダン」とは、主人公たちの師匠の名前。 元は1988年にDiscovery Softwareより発売されたAmiga用のゲーム(*1)だが、メガドライブへの移植にあたりポーションシステムの発展や攻撃モーション毎の有効性の差異など、グラフィックのみならずゲーム内容にも大幅な変更が加えられており、見た目以外はほぼ別ものであるアレンジ移植となっている。 本作は大味すぎる内容と異常なまでに高い難度で当時のゲーマーを驚愕させ、雑誌「BEEP!メガドライブ」の読者投票によるランキングにおいて、前人未到の最下位在位23回を記録した。 あらすじ 黒魔術師ゾラス…はるか昔、悪魔と交わりし罪によって、東の彼方、暗黒の淵へと追放された狂気の魔人。そのゾラスが人々への復讐のため、悪魔とともに再び現われて、ここ、北の王国を支配するようになってから早、十数年がたつ。国王を始め、力のある者は壮絶な戦いの末ことごとく殺され、後に残った無力の民は、ひたすらゾラスを恐れて圧政の下に虐げられている。 しかし、今、王国の城塞都市をはるかに臨んで、勇猛な若き二人の戦士が、打倒ゾラスを誓って、悪魔との決戦に挑もうとしていた。剣豪ボルダンとその妹シャルダン…王国の崩壊寸前、密かに城から連れ出された旧国王の子供たちの成人した姿である。 彼らは西の国に住む歴戦の勇者ソダンに預けられ、幼少より戦士の訓練を受けてこの日のために備えてきた。旅立ちに際し、ソダンは二人に自らの剣を渡し、王国の再興を託したのだった。 はたして二人は亡き父の無念をはらし、祖先の領土を取り戻すべく、魔人ゾラスを討ちはたすことができるであろうか!? 運命の輪は回り始めている…。 「ソード・オブ・ソダン 取扱説明書」より 評価点 洋ゲーらしく濃い画風で、ドットの描き込みはそこそこ丁寧。 攻撃方法の選択と間合いの取り方が重要で、劣悪な操作性(後述)を我慢すればアクションゲームとしての味は出る。 ボタンで斬りを繰り出すほか、方向キーとの組み合わせで突きや大振りも出せる。攻撃方法によって繰り出す速さや当たる距離・範囲・威力などが違い、また敵によっては特定の攻撃しか当たらないため、使い分けが重要。 敵を倒すことで手に入る4種類の薬は、ポーズを押して薬を選択し飲むのだが、この際にアクションゲームとしては珍しく、飲む薬を一度に複数選択できる。 組み合わせによって攻撃力倍増や無敵、残機UP、次面へワープなど、ポーションの効果は非常に強力。正しく的確に使用できればプレイが一気に楽になる。中にはダメージを受けるなどマイナス効果もあるが、良い効果は説明書におおむね記載されている。 問題点 劣悪な操作性 歩きがとても遅い。ジャンプしながらのほうが速く進める。 方向キーだけを押した場合は向きを変えない前進or後退になり、振り向くためには「ボタンを押しながら逆方向入力」という操作が必要。敵が左右から出現するので振り向きは頻繁に行う必要があり、振り向く際にも多少の時間がかかるため、とても面倒。 やたらと高難度 敵の数が多く、さらに一体一体が硬い。慣れないうちは挟撃されると為す術もなく殺される。 キャラ同士の接触判定がなく、敵と重なってしまうと攻撃が当たらない。こちらは鈍い動きともたつく動作で必死に位置取りすることになる。 即死トラップが多い。 たとえばステージ5の落とし穴。微妙にシミになっているところが目印だが、とても分かりにくく、かつ説明書にも載っていない初見殺しポイントとなっている。 ステージ6には押しつぶす壁、地面から突き出る針、足場が不安定な溶岩地帯などがある。しかも右から火の玉が飛んでくるため、異常に難度が高くなっている。 男主人公のボルダンは剣の振りが遅く、難度が更に上がる。 ただし難しいのはノーマルの話であり、イージーは常識的な難易度。なので実質「ノーマル=ハード」「イージー=ノーマル」と思った方がよい。 薬システムの分かりづらさ 攻略時は薬の効果が生命線となるのだが、扱いが難しい。 画面上にあるものを含めて4つしかストックできないので、計画的に利用する必要がある。 4色全て組み合わせて飲むと「WINNERS DON T DO DRUGS (勝者は薬に頼らない)」の表示とともに最大HPの99%ダメージを受ける。基本的に即死すると考えて良い。 原文であろう「WINNERS DON T USE DRUGS」という言葉自体は、アメリカのアーケードゲームの起動時に表示されていた反麻薬キャンペーン(*2)のキャッチフレーズであり、本作ではパロディの意味合いがあると思われる。 とはいえ大半は良い効果であり、組み合わせることさらに強力な効果も得られる。 「状況に応じてどの組み合わせでポーションを使用するか」がこのゲームの根幹であり、それが理解できるまでに至ればうってかわって楽しめるゲームと化す。「勝者は薬に頼らない」と言いつつ、薬を使わないとキツいというツッコミをしては行けない その他 エンディングが手抜き。 計3枚の絵とエピローグの文章が表示されるのみでBGMもない。しかもボタン入力でスキップされてしまうという罠まである。 スコアランキングの謎仕様 タイトルで放置していると表示されるスコアランキングが「ゲーム中の雑魚敵である虫が一字ずつ運んでくる」という演出なのだが、これがなぜか異様に遅く完成まで数分かかる。このため純粋にスコアを確認したくても完成を延々待たされることになる。 賛否両論点 アクの強い演出 キャラのアニメーションがガクガクで、プロポーションも少々おかしい。 大元のデッサンに難がある。その一風変わった出来映えは、ある意味一見の価値あり。 キャラの死に様の描写は「大量出血」「ハラワタが露出」「生首が落ちる」など、残虐な方向への作り込みが深い。 BGMなし。ステージでは鳥の囀りや雷鳴などの環境音のみが終止響き続ける。陰惨なグラフィックと相まって、何とも言えない雰囲気を醸し出している。ある種の緊張感はあるが。 が、キャラのダメージボイスは搭載。攻撃されるたびにいちいちうめき声を上げ、死ぬときには断末魔の叫びを上げる。 スタート時やステージ間のメッセージ送りには、「テン」という気の抜ける音が入る。 総評 とにかく操作性が悪い。これに加えて、汚いグラフィックやイヤな方向に力の入った演出、雑魚の波状攻撃や即死トラップを始めとするストレスフルな難度調整など、問題点がこれでもかとばかりに押し寄せる。クリアには並々ならぬ忍耐力が必要である。サターンにデス様が現れるまで、本作は「帝王ソダン」としてセガのクソゲー王座に君臨していた。 ただし、斬りと突きの使い分けや薬の運用方法、敵との間合いの取り方など、我慢して噛んでみればアクションゲームとしての味は出る。その食べ辛さは「スルメ」などという単語ではとても言い表せないものの、単につまらないだけのゲームと本作の格の違いはそこにある。 余談 ゲームの同人誌即売会で、「ソード・オブ・ソダン完全クリアー」の本を出す強者も現れた。 アニメーター/キャラクタデザイナーの森木靖泰氏はソダンをプレイしたいが為にメガドライブ本体を購入する程のファンだった事を当時、「マル勝メガドライブ」の創刊号に掲載されたコラムでイラスト付きで述べている。 しかも当時は国内ではまだ発売されていなかったので、わざわざGENESIS版を購入してプレイするといった筋金入りのクソゲーマニアっ振りである。 「BEEP!メガドライブ」誌上の読者投票において、ソダンの地位を脅かすクソゲーが現れると、10点投票を行ってソダンを防衛しようとするグループも出現し「ソダン親衛隊」と名づけられたという逸話もあった。さてはアンチだなオメー ちなみに北米では日本版の前年にGENESIS版が発売されているが、そちらはEAから発売された。なお、GENESIS版の移植を担当したInnerprise Softwareは本作発売の翌年に倒産している。なお、Amiga版を開発したDiscovery Softwareも1990年に破産している。 存在自体あまり知られていないが、あのBethesda Softworksが1993年にAmiga版をMachintosh用(*3)にほぼベタ移植したものを発売している。 更に、AppleII GS版は開発途中ながらも1989年のCES EXPOで展示があり実際の発売予定も組まれていた(*4)。しかし、AppleII GS版のプログラマが開発中に揉め事を起こしたことで解雇され、代わりのプログラマが見つかるまで開発は中断となった。結局、そこから進展もないまま1990年にDiscovery Softwareが経営悪化により破産したことでお蔵入りとなってしまった。 そして、約30年が経とうとした2018年5月26日、お蔵入りとなっていったAppleII GS版が有志により発掘され、検分の結果、原作の殆どのレベルがプレイ可能な状態で公開された。だが、スプライトグリッチが多く見られたりと未完成部分が所々あり、修正にはソースコードが必要だがそちらは未だ見つかっていない。 IBM-PC、AtariST、コモドール64版の開発も計画されていたがこちらは計画だけで終わってしまっている。 メガドライブの復刻ハードである『メガドライブ ミニ』に本作は収録されなかったが、当初は「メガドライブという時代を語る上で外せない作品になるのでは?」ということで本作の収録を考えていたとインタビューで明かしている。 収録候補から外された理由はレーティングにおける「倫理問題」である。本作のゴア表現の中には現在のCERO Z(18歳以上のみ対象)でもアウトなものが含まれており、「本作のためだけにレーティングを上げてユーザーを制限させてしまうのは違うのではないか?(*5)」ということで候補から外されたとのこと。 現在、メガドライブ版(GENESIS版)の版権はPiko Interactiveが所有している。
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『戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~』(3/27)《unicorn-a / げーせん18》 季節が変われば吹き抜ける風は変わり、そしてクソゲーも変わってゆく。 昨年度KOTYeはネタスレとしての立場による決着を概ね排し、単純に「楽しめない事」を突き詰めて進めた、重苦しく陰鬱な回となった。 絶望と苦痛の精神汚染兵器、チーズこと『新世黙示録』を筆頭に、負の側面に特化したクソゲー共の跋扈がその傾向を吹き入れたわけだが、 果たして今回はどのように腐り果てた風が吹くのだろうか…。 さて、大仰な決意を掲げ、ささやかな挑戦状を叩きつけて褌を締め直した前回の結び。 そのわりに、今年度の先頭爆発は遅咲きであった。 選評自体は4月までに4つと月刊ペースで届いている。 中でも、寒いノリとキ○ガイめいたヒロインの舞い踊りを「面白くないボボボーボ・ボーボボ」と評された『毎日がハーレムすぎて王子は姫を決められないっ!』は、 「パフェとハンバーグにしか見えないコーヒーとショコラケーキのCG」など笑いの提供にも余念がなく、AAまで作成され上々のインパクトを残していった。 とはいえ、昨年のゲヘナはどこ吹く風。 住人達は優しい表情を崩す事なく、本格的な春の空気をまだ遠くに感じていた。 今年は笑いと癒しの年か? そんな展望も予感させる穏やかな立ち上がりの2015年度。 しかし、時は4月6日。 突如過去の怪物が忌まわしき凱旋を果たし、KOTYe本格開戦の狼煙を上げた。 げーせん18発、『戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~』の登場である。 『戦極姫』――かつて3つのKOTYで暴れ回った大物クソゲーも今は昔。 幾多の有償デバッガーの犠牲の下で大幅な改善を見せ、昨今では良作シリーズと扱われるまでに成長を遂げていた。 住人にもファンは多く、純粋な期待の声も上がっていたのだが、従来の主人公・颯馬に新主人公・月冴を加えたW主人公制の採用が、およそ最悪の裏切りを招いてしまった。 まず戦極姫は代々ADVにSLGパートが付属した構成で、一貫して「武将少女とイチャラブしつつ天下統一を目指す」内容である。 しかし、本作では目的の天下統一がなぜか月冴でしか達成できない。 果てにヒロイン全88人中82人を月冴が独占し、「Wとは…?」と問い質したくなる破格の優遇を見せた。 そして気になるその人物像は、「発情期のウサギが土下座するレベルで盛ってる真正ゲス」。 ヒロインを性処理道具程度にしか見ておらず、中出しヤリ捨ては当たり前。 性交のために無垢な少女を躊躇なく騙す、体を重ねたヒロインの顔を忘れる等、まるで救いようがない。 にもかかわらず、作中人物達はなぜか彼の言動をカルト教徒の如く全肯定。 どれだけ酷い仕打ちを受けようと「不思議な魅力がある」「女は彼が気に入るよう尽くすしかない」などと微笑みながら語る姿は、もはやちょっとしたサイコホラーだろう。 また公式曰く、彼は軍師の颯馬と対をなす直情型の剣豪らしいのだが、実際は全能力で作中屈指を誇る2次創作最低オリ主めいたチート万能野郎である。 とりわけ料理スキルの無双ぶりは鮮烈で、「初めまして」→「月冴の料理凄い」→「素敵!抱いて!」という華麗な3段オチが各ルートで流れるようにエンドレスループしていく。 「媚薬飯」と称されるも効能は口説きに限らず、説得の鍵になったり、病を治したり、数日で城が建ったりと天井を知らない。 感情移入などできるわけもなく、Hシーン含め、月冴の登場する場面全てが丸ごと胸クソ要素と成り果ててしまった。 そして最大の問題は、本作がキャラを引き継ぐシリーズもので、購入者の大半がシリーズファンだという事だろう。 愛着ある旧主人公はかませにされ、かつて愛したヒロインが設定も展開も投げ捨てて次々と餌付けで即堕ち2コマ形式に心と股を開いていく……。 完全に「嫌いな男から送られてくる好きな子のハメ撮りビデオレター」であり、公式による疑似NTR以外の何物でもなかった。 当然ファンは悲痛な叫びを上げつつ暴徒化。 メーカーが早々に非を認め、恒例の遊戯強化版で月冴の存在を完全抹消する珍事に至ったのも何ら不思議ではないだろう。 新規目線で見た所で根本の不快さには大差ない上、ここにきて半ば慣例として流されてきた「低質で不揃いなCG」の問題が立ちはだかる。 SLGも月冴等有力武将一人で大きな兵力差を覆せる脳筋戦極無双に変更されており、出来はお察しと縋る藁はどこにもない。 かくして、作品どころか関わるキャラの品格すらも消し飛ばす稀代のクソ主人公は、住人の戦慄の傍らで悠々とクソゲー殿堂の碑文にその名を刻むのであった。 旧知の仲でも油断すれば寝首をかかれる戦国の理。 非情なる所業が大きな動揺を産む中、怨嗟の声と共にスレに忌まわしき春の活気が芽生え始める。 同じく過去のKOTYeで名を馳せた英霊達が続けて襲来し、「ここがどこかお忘れかい?」とばかりに、平穏な日常を貫禄の暴風で吹き荒らし始めたのである。 先鋒は13年度大賞作『部室』を排出したミクルプリンの親ブランド、potageによる『超・秘湯めぐり』だ。 自身も前年2作品を送り込み、新たな常連として着実に地盤を固めつつある昨今。 そんな大事な時期に放たれた意欲作の見所は、なんといっても極限まで削ぎ落とされた驚異的スリムボディだろう。 「薄い」を越えて中身が一切なく、1日当たり2~20クリックというツイッター級の短文で日常が過ぎた後、脈絡なく性行為が勃発。 1行もあけずに4枠分程シーンを垂れ流してゲームエンドだ。 エロの内容も定型文のオホォー!が約30クリックと無味乾燥で、フルプライスながらコンプまで2時間弱の泣く子も黙る短さを実現してしまった。 もちろん文章自体の質にも妥協はない。 突如数ヵ月後にタイムリープし、エロを挟んで何の説明もなくまた元の時系列に戻るなど、文脈は崩壊。 空虚な話に反比例するように、雑なパロネタだけは「ボケる→解説」と鉄板の味付けで所狭しと詰め込まれ、住人達を唸らせた。 UIは部室時代の「化石」を流用し、主人公名弄りバグも無念の続投。 クソゲー唯一の癒したる音楽すらフリー素材の約5曲のみでは擁護のしようがなく、この短さにして「去年の『銃騎士』以上に寒くて苦痛」とまで激賞されたのであった。 公式のキャラ紹介を模倣して結論すると、「――ありえないほど《クソゲー》」。 昨年はクソゲーを養殖する姿勢で不興を買ったpotageであったが、事ここに至っては住人も心を改め、 「ここまで酷いゲームを自然に作れるなんて思いたくない。養殖であってくれ!」と、いっそ意図的である事を願い始めるのだった。 新鋭の攻勢に負けじと続く次鋒は、初参戦以降の発売作エントリー率100%を誇るクソゲー界の重鎮アーベルソフトウェア、 『不条理世界の探偵令嬢 ~秘密のティータイムは花園で~』(通称『不条理探偵』)である。 自社レーベルとして久々の新作はお得意の探偵ADV。 「絶頂で推理力が数倍になる探偵と謎を追う」内容で、この時点でかぐわしいクソの薫りが全く隠せていないのだから恐ろしい。 まずプレイして程なく気になるのが演出の貧弱さだ。 立ち絵の変化がほとんどなく、フェイスウィンドウに至っては差分完全0。 中でも主人公の顔グラはなぜか死んだ魚の目をしたまま固定されており、 決め台詞に脅し文句、喘ぎ声まで、あらゆる発言にシュールな彩りを添える抜群の汎用性で住人の爆笑を買った。 またBGMが地味で、SEは間抜け全開。 傑作CG「無気力キック」、主人公の迷言「今の俺なら、手負いの女なんて瞬殺ですよ」に代表される気の抜けた描写も合わさり、 命がけのシリアスシーンですら牧歌的なゆるふわギャグへと成り下がっている。 では肝心のシナリオはというと、推理物なのに選択肢が存在しない。 推理自体も「長男の死体の傍に蜜蜂」→「三男は蜂が怖い、次男が犯人だ!」等言いがかり同然で、 この程度の謎のためにわざわざ毎回絶頂させられる探偵の悲哀にも涙を禁じ得ない。 流石にヒロインのCGだけは無難に仕上げ、レモネードが紫色な程度しか突っ込み所はないが、 差分を逐一表示する水増しがギャラリーを340枠・38ページにまで膨らませており、ページジャンプできない仕様を加えて地味ながら的確なイラつきを提供してくれる。 全方位で手抜きに手を抜かない姿勢には、流石王者の仕事と舌を巻くしかないだろう。 ただし、本作がわずか5時間で打ち切りとなる短さの中に圧倒的なネタの引き出しを秘め、荒んだ住人の心に恵みの笑いを齎し続けた事は否定できない。 「心入れ替えて面白い作品を作ろうかと思ってます」―― 確かに生まれたこの楽しみをアーベル流の「面白さ」だと取るならば、草葉の陰の菅野氏も多少は浮かばれるというものかもしれない。 一息ついたブレークタイムには、アトリエさくら Team.NTRより『繋がらない携帯電話-ただいま他の男とめちゃめちゃセックス中-』が到着する。 NTR専門ブランド発ながらシーンの大半がただの妄想で占められ、NTR感皆無のまま何の憂いもなく幸せな結婚をして終了する盛大な宣伝詐欺を敢行。 寝取り役のイケメンが主人公狙いのホモと判明する衝撃の展開も「誰得」の一言に尽き、基本の大切さを身を持って証明する形となってしまった。 そしてその直後、我々は観測史上最大級の大嵐に襲われる事となる。 「五惨家」「増税の悪夢」と、同日発売作の集団決起は過去にも例があるが、今回はなんと5月29日発売分から新記録となる合計9作ものエントリーを果たしたのだ。 先発は疾き事風の如く、発売日当日。 昨年から連続登板となるWHITESOFTが、神速のストレート『猫撫ディストーション 恋愛事象のデッドエンド』(通称『猫撫』)を投げ入れた。 本作は人気タイトル『猫撫ディストーション』のファンディスクで、あまり先例のないクラウドファンディング形式で制作されたエロゲーである。 魅力的な設定と出資特典で心を掴み、目標額120万円を4日で達成。 無事発売にこぎつけ、期待に胸を膨らませてその日を待ったファンの元に届いたのは、しかしフルコンプ30分にも満たない極薄の手抜き作品であった。 一応シナリオは需要を満たす形で最低限成立しているものの、総CG数5枚、本番なし。 Hシーンは7クリックの自慰と20クリックのペッティングの2つのみ。 更にCG4枚は公式で公開されており、新規分は飛び抜けて低質なたった1枚という体たらくだ。 特殊な形式ゆえ一般的な作品とは並べ辛い面もあるが、参考までにCG枚数で換算すると、 一般販売価格の3000円で約0.5jks、出資コース最高額の10万円では0.016jksという、単純な数字ではあの『アイ惨』をすら凌ぐ驚異的結果が現れてしまう。 新規シナリオ等の出資特典は未だ届いた報告がなく、公式も完全に沈黙。 本編より長いと語られるエンドロールには出資者の名前が墓標のように寂しく並び、戒名を書き間違えられた者もいるとあって、最後まで誠実という言葉の意味を問いかける。 「デッドエンドしたのはメーカーでしたね」と茶化してみても、信頼を売り飛ばす裏切りを前に、微笑の一つでも浮かべられるファンはおそらく存在しないだろう。 飛び込む後続には、 「君よ、活目せよ――これがエロゲーの極北だ!!!」という煽り文句通りに北極級激寒テキストを乱打してあえなくシベリア送りとなった『裏技スペクトラム』、 オナニーを見ているだけで疲労困憊し、拷問対象のヒロインに体調を気遣われるお茶目な主人公が光る『JK聖女淫罰 ~穢れし肢体への裁き~』、 「チーズ買いに行きそう」と評された不快な主人公に加え、未完成を隠すために初期ver.の一部ルートを意図的に塞いで話題を集めた『恋魂』等、 色とりどりの作品が並ぶ。 特に大きな波紋を呼んだのは、既に『毎日がハーレムすぎて王子は姫を決められないっ!』を送り込んでいるPeasSoftによる本年度2作目、 『中二病な彼女の恋愛方程式(ラブイクエイション)』(通称『中二病』)だ。 問題点は概ね「バグ」に集約される。 どこもかしこも大小様々な不具合で塗れており、一例程度でも、コンフィグが反映されない、文とボイスが一致しない、立ち絵が画面上に残り続ける等、†闇†が垣間見える。 が、何より致命的なのは「高頻度のエラー落ち」と「エラー落ちでセーブが消える」の合わせ技であろう。 メモリリークが原因らしいが、発生タイミングは基本的に予見不可。 CG等の重いデータが不意に即死トラップと化し、ゲームの起動に関わる共通セーブデータが壊れて再起不能という極悪コンボが頻発した。 まともにプレイしたければ「スキップを使わず慎重に進め、こまめに再起動しつつバックアップを取る」の徹底以外に方法はなく、完全に作業系死にゲー。 加えてブランドロゴの表示までに1分前後かかる程起動が遅いため、再起動には一々この待ち時間が挟まる事にも要注目だ。 メーカーはこの惨状にも「環境依存です」の一点張り。 一応後日「一部ユーザー向け」にギガパッチが配布されるも、エラーの代わりに謎のファイルが大量増殖する新たなバグを追加してユーザーをひたすら呆れさせた。 ちなみに、痺れを切らした有志による数十KBのパッチでエラーは見事解消された事を付け加えておく。 EDには「デバッグ Peassoft all staff」と責任逃れ臭い表記があるが、結果全スタッフが等しくポンコツであると示してしまったのは何とも皮肉なオチである。 Insyncの『妄想コンプリート!』(通称『毛根』)も忘れてはならない。 流通から「進捗を定期的に公開する」事を義務付けられるという小学生並の管理を受け注目されたInsyncだが、 正体はかつて3連続マスターアップ後発売延期を成し遂げたEx-itの実質的後継ブランドなのだから、待遇にも合点がいくというものだ。 その上ですら当初の予定から半年以上延期。 直前までシナリオが未完成だったりデバッグが0%だったりと安定のお家芸を見せ、どうにか発売された内容は、当然ながら未完成と手抜きの総合商社であった。 花見に行くと言いつつ花見シーンはない、ヒロインに料理を作ると言いつつ作るシーンも食べるシーンもない等、イベント描写は徹底的に省略。 特に共通の最後で立ち上げた「未来予知研究部」が活動の痕跡すらなく個別の頭で解散する様は、「エロゲ史上最短の部活動」として好評を博した。 総プレイ時間は10時間以下で、CGはSDを除くとミドルプライス級の56枚。 意表を突く世界観や主人公の正体といった素材は味付け次第で面白くなったかもしれないが、ここまで肉を抜いてしまえば残るのはただの超展開と後味の悪さのみだ。 分岐の名残と思われる男らしい1択肢を鑑みても、納期のためにあるべきものを削り続けた事は明白だろう。 「in sync」は「一致している」という意味で、もはやブランド名の時点でこれまで通りのExit劇を回避するつもりは毛頭なかったのかもしれない。 勢いはまだまだ止まらない。 Hシーン以外のADV部分が10分程しかなく、バトルスーツを着て戦うヒロインを前にプレイヤーはなぜか麻雀をさせられる『麻雀バトルヒロインズ』、 プリンを食べる様子がシーンにカウントされていたりとあまりにエロ要素が薄い『妹盗撮~自宅ストーカー~』の2作が、 お互いに方向性の違う薄さを武器にエントリー。 そして9回のクローザーを務めるは新鋭ブランドいちゃらぶ堂が贈る『女の子はドSな変態でできている』(通称『ドS』)だ。 名の通りヒロインのドSな罵倒と変態ぶりに特化したニッチゲーだが、あろう事か製作者はユーザーの求める「ドS」の意味を全く理解していなかった。 売り文句の罵倒からして言葉責めですらなく、「クズ」「空気」「ゴミ」といった小学生並の悪口を連呼するだけのもの。 そして親の敵のように詰る癖になぜか好感度は全員最初からMAXで、どんなテンションに自分を置けばいいのかがいまいちわからない。 もちろんドM紳士達がこれに興奮するはずはないが、驚くべきは主人公さえ1ミリも興奮しない点だろう。 終始冷めた顔で口撃を華麗に受け流し、逆に自らがドSに覚醒して屈服を認めさせる姿を前に、コンセプトは完全崩壊。 変態要素の方もズレっ放しで、口々に「チンコが~」「アソコが~」等やはり発想の幼い卑語を連呼し、自動で発情する淫乱バカにしかなっていない。 抜き方面に望みを見ても、大半のシーンが50クリック以下の定型性交。 CGは作画崩壊を含み、全力射精したのに差分変化なしで精液が亜空間に消えるなど、抜きゲーの命たるエロ演出まで片手落ちな始末であった。 サラリーマンにしか見えない主人公の制服がシュールな笑いを誘う程度は、ここにきて救いになる程の爆発力もないだろう。 選評者曰く「sealの方が抜ける分優秀」。 SとMにも作法があり、悦べない所業はただの苦痛である事を、一方的に蹂躙されたドMユーザー達の苦悶の表情からぜひ学び取って欲しいものである。 怒涛の9連戦を終え疲弊したKOTYe。 流石のクソゲー共もねぎらいの意思を示したのか、修羅の地平に年始以来となる一時の安らぎが訪れた。 当然選評は届くものの、濃密な負の空気を感じるには至らない。 『人妻公然恥辱電車 ~携帯一つでお触り即ハメし放題他人の妻を粘着種付け寝取り~』は、巻き寿司に例えられた浴衣の着付けや、 平面的すぎて「絵画の前でヤッてる」と揶揄されたHシーンの背景等、視覚的わかりやすさを引っさげてエントリー。 見かねた有志が「絵画」に手を加えて一瞬で自然な背景に修正してしまったりと話題には困らず、スレにしばしのポジティブな活気を提供したのであった。 また、あの『銃騎士』の補填作として注目された『聖騎士Melty☆Lovers』も姿を見せたものの、逸脱した出来ではなく、 局部の呼称を変更できる謎の機能が住人の目にとまった結果、「ちんこ」が「ゲルググ」に変えられて爆笑を呼び、同じく明るい空気を運ぶ事に成功している。 そしてこのまま2015年は終わりを迎え、年末の魔物の姿を見る事もなく、荘厳な鐘の音が新たな年の始まりを告げる。 終わってみれば5月29日の大爆発を除いて比較的緩やかに過ぎた1年だったと言えよう。 「たまにはこんな年があってもいいじゃないか!」 平和な幕切れに安堵の表情を浮かべ、祝杯をあげるように各々が掲げたその手は―― しかし何かを探すように虚空を彷徨い続けていた。 そう、クソゲーが足りないのだ。 まだあるんじゃないか?大きな何かを見逃していやしないか…? 焦りにも似た予感と疼きに導かれて方々を彷徨い歩く住人達。 そして、やはりそれは存在した。 選評締め切りまであと1週間という土壇場に、老舗メーカー・ミンク製作の見逃されていた不発弾、『Love and Peace』(通称『LaP』)がようやくその姿を現したのだ。 本作のジャンルは「ヤリまくり学園バトルSLG」で、ADVの合間にゲームパートを挟む形式である。 まずシナリオは爆死した『カルマルカ』の倍近い13人ものライターによる並行執筆となっており、当然ながら整合性は完全崩壊。 日本神話かと思えば突如キリスト教用語がコンニチハし、神界に救急車のサイレンが鳴り響くなど世界観はガバガバそのもの。 神話由来の思わせぶりな設定も実際は原義と何ら無関係な上に回収すらされず、余計なミスリードばかりが溢れて物語の理解を極めて困難にしてしまった。 EDで必ず主人公が消滅し、ヒロイン達は黒幕の掌から抜け出せないまま終了する鬱展開も手伝って、見事にストレス要因ばかりを抱えた仕上がりとなっている。 が、本作のストレスはこの程度で終わらない。 地獄の真価は続くゲームパートに潜んでいたのだ。 基本システムはマップに敷き詰められたマスを一歩ずつ進んでゴールを目指すもので、選評者曰く「1しか出ない人生ゲーム」。 単純な作業感に加え、道中ほぼ全マスでいちいち戦闘が起こるためテンポは最悪。 その戦闘もユニット性能差の酷さと敵の強さゆえ、模範解答以外に選択肢がない作業系出来レースだ。 更に、敵編成に回復持ちが複数いると火力を上回る回復を掛け合うループが容易に生まれてしまい、最悪だとリロードを迫られる理不尽死にゲーの側面まで持ち合わせている。 また本作では「連勝ボーナス」による経験値取得量増加抜きだと後半の攻略が厳しくなるのだが、 セーブを求めて準備画面へ戻るとその連勝判定がリセットを食らうため、こまめなセーブによる心の安寧すら許されない。 目的地の指示が間違っていたり、ノーヒントで決まったルートを進む『コンボイの謎』じみたマップがあるなど、 無駄に水増しされた難易度も不快感に拍車をかけ、総合力でプレイヤーの精神をじわじわと痛めつけていく。 そして何より致命的なのが、エロゲーの命たる「キャラ」と「エロ」をこの酷悪なゲーム性と密接に結びつけてしまった事だろう。 本作のHシーンは戦闘勝利後に確率で発生する敵キャラの「捕獲」と、一定レベル到達後の「進化」時に挿入される。 しかし捕獲の発生率が低く、戦闘の面倒さも手伝って初見の通常プレイだとまともにヒロインやシーンが揃わない。 つまりご褒美を求める限り勇んで無明の苦痛へと飛びこまねばならないのである。 中には一定数連勝を稼がないと登場しないキャラも存在する上、コンプには最低3周が必須となり、全てのエロを拝む道程は果てしなく遠い。 CG自体は水準以上で枚数も7jksを超え、画集としてなら珠玉であるが、辿り着けなければ意味はない。 修羅の検証魂を備える選評者ですら「コンボイ」で一度詰みを経験し、挙句自力では全キャラ制覇を遂げられなかった事が、 本作の「終わりの見えない苦行」性を如実に物語っていると言えよう。 そして選評締め切り前日にTRYSET MADの『ANOTHER POSSIBILITY』が執念の駆け込み乗車を果たし、2015年度最後のエントリーを掻っ攫った。 公式では記憶喪失の主人公によるシリアスバトル路線を匂わせているが、実際は大きく趣を異にする。 記憶喪失は最初の1日半で無意味に治り、転校初日で初対面のヒロインが授業中にオナニーを見せつけ始めるなど、 とにかく展開やキャラの行動に突拍子がなく、ひたすら頭の悪い描写に終始するカオスバカゲーだったのだ。 なんと言っても特筆すべきは「絶対に笑ってはいけない」仕様のHシーンだろう。 主人公の喘ぎ声が基本うるさく、「くふぅ!あふぅ!うはァ!」などと癪に障る賑やかしで没入を妨害。 加えて徹頭徹尾存在感を示すのが「う゛ッ!」という発射合図だ。 微妙な変化を加えつつ、連呼したりヒロインに伝染したりとあの手この手で頑なに使いまわされ、下げたパンツを上げる暇もなく腹筋を徹底的に破壊されるハメになる。 またライターにはなにかしら独特の言語センスがあるらしく、心の底から積乱雲級の親近感が込み上げて、気持ちを真夏の清涼感に満ち溢れた青空に変えた後、 あまりの運命的な嬉しさに腰が踊り狂うシーン等が一部住人の心をがっちりキャッチしてしまった。 無論エロゲーとしての需要からは程遠く、CGもヒロインが「一世風靡セピア」の曲でも踊りだしそうな妙ちきりんなポーズを取っていたりと色々怪しい。 通常用途への使用は難しいものの、低質な文章でもとことん突き詰めれば別の可能性が開ける事を示し、 最後の最後で盛大な笑いの死に花を咲かせてくれた事に対しては、全住人が「怪作」として敬意を表してやまないのであった。 では、ここまでで主要なエントリー作品の紹介を終え、いよいよ今回の結果発表に移ろう。 次点は 『不条理世界の探偵令嬢 ~秘密のティータイムは花園で~』 『猫撫ディストーション 恋愛事象のデッドエンド』 『Love and Peace』 大賞は 『戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~』 とする。 前回『チーズ』が圧倒的完成度で大賞の座を勝ち取った時、我々は一つの到達点に来たのかもしれない。 あらゆる会話に『チーズ』の話題が色を添え続け、新鋭達は必然的に王者のクソと比される運命を強いられてしまった。 それでも懸命に存在を訴えようともがいた結果なのか、本年度は異なる個性同士が壮絶にぶつかり合うクソゲー群雄割拠時代、 史上稀に見る混戦の様相を呈していた。 絶対強者が現れず、大賞候補として存在感を示したのは皆一長一短ある曲者達だ。 公式最低二次オリ主によってゲームの大半が壊滅しているものの、彼の関わらない部分は凡ゲー程度にまで落ちる『姫6』。 真っ当な期待の一切を裏切る程に拙いが、個々のクソさに重みがなく小柄感が付き纏う『不条理探偵』。 新時代の錬金術と記録的薄さで詐欺寸前に迫るも、最低限の需要だけは満たし、無価値とまでは言い切れない『猫撫』。 ストレス要因の狂い咲きで娯楽として成立していない一方、CGは質も量も十二分の『LaP』。 全てが別方向かつ同程度に見過ごせない美点と欠点を持ち、エロゲー及びクソゲーに求める物次第で評価には個人差が色濃く出てしまう。 果たして支持は分かれ、議論はジャンケンの最強手を決めようとしたかの如く堂々巡りへ。 いつしか支持者間で一触即発の空気も流れ始める中、最終的に混迷を打ち破ったのは、「当スレが何のためにあるのか」という根源的な問いへの立ち返りであった。 KOTYeは何のために存在するのだろう。 クソゲーを格付けするためか、クソゲーへの憎しみを忘れないためか、はたまたクソゲーへの恨みを吐き出すためか。 否、それらもそれ以外も全て含め、広く「クソエロゲーを語る」「クソエロゲーで語り合う」事が目的ではなかっただろうか。 頂点を決めるルールも言わばそのために設けられた象徴に過ぎない。 であれば実力が伯仲し、掘り尽し味わい尽して尚決着が付かないなら、最も「語るに値する」、趣旨に適った作品を大賞に据えるべきであろう。 テキストの崩壊、薄さ、ゲーム性の破綻……。 次点3作の根幹は成程凶悪だが、全てこれまで何度も我々が挑んできた既知の敵である上、現状上層に更なる「極み」の境地が存在する。 つまり「これはひどい」以上の事を語りようがなく、提供される話題に広がりがない。 王道ゆえ酷さがわかりやすい反面、クソゲーとしての限界もまた見えやすかったのだ。 対して『姫6』にだけは語るに値する確かな独自性が潜んでいた。 「クソ主人公の存在だけでクソゲーが生まれた」という煌きである。 『チーズ』同様、クソ主人公は基本的に筆力不足に引きずられてシナリオと共にクソ化した被害者の側面を持つケースが多い。 しかし月冴は公式が行ったような単純な抹消だけでも大方の問題に片が付く程の独立病巣、積極的加害者であり、 そもそも颯馬パートのまともさやキャラ単体での魅力を見るに、ライターの実力不足の産物とは考えにくい。 おそらく要点を違えた挑戦の結果で、根本にズレを抱えたまま伸びやかに壮大に最後まで仕上がってしまった突然変異なのである。 またキャラ・シナリオ・エロが何よりも重視されるエロゲージャンルにおいて、 キャラへの愛情ごとシーンの実用性をも徹底毀損するその在り方は、単純にクソ要素として独自性を超えた「嫌悪感の極み」の域。 総体では抜け出せなかったが、問題単体の画期性・究極性では一線を画していたのだ。 まともな作品に異物を加えるだけでキャラとエロが死ぬ。 ありそうでなかった魔法のレシピ。 「クソエロゲーとは?」という永遠の命題に対し現時点で出せる答えの一つを、新たな角度から見事提示したと言えよう。 この負のオリジナリティがクソゲーのまだ見ぬ可能性を想わせると共にスレを賑わし、最も多く「語られた」。 よって『戦極姫6』に年度代表の証として大賞の座を譲り、心からの畏怖と敬意の念を表すものとする。 同時に最後までエンターテイナーに徹し、曇天を裂き青空を見る瞬間の快感を与えてくれた他の候補作達にも、温かい拍手の雨を贈りたい。 頂点を見た後の一歩は常に虚しく、どこか寂しいものである。 明確な方向性を持たず散発的だった本年度は、何かを極めた13・14年度からの小休止とも囁かれた。 エロゲーの市場規模減少に伴いユーザー数は右肩下がり。 あのsealが連続参戦記録を4年で終え、ライバル筆頭スワンアイまで姿を消してしまった件も寂寞に拍車をかける。 もはや「語る」事すら満足にできない悲しい未来も、さほど遠い先ではないと思わせられる。 しかし今ではない。 依然エントリー数、大賞を争った本格派クソゲーの数と質全て十分であり、年中通して話題にも事欠かなかった。 特に、場外要素ではあるが、『Sexyビーチ プレミアムリゾート』が空前の盛り上がりを産んだ一幕は多くの者の記憶に焼き付いたに違いない。 「南国で美女とイチャラブ体験」のはずが、実際は「激重の山岳地帯でチンピラの大軍と命がけのサバイバル体験」で大炎上。 検証に手間取る間に鎮静化してエントリーは回避するも、一時は本スレの勢いが安保可決スレを超え 「安保よりチンポ」の名言も爆誕した。 なんだかんだ言いつつ業界の熱気は一定水準に保たれている事の証左であろう。 ならば、大いに語ろう。 独力ではどうにもできない怒りや哀しみも、共感し合えば泥臭いユーモアへと昇華され、笑い流す事ができる。 だからこそ傷つき涙した時、修羅達は自らの想いを伝えるための戦いに身を投じるのだ。 だからこそここに人が集まり、そしてこれからも在り続けるのである。 最後の風が戦場を吹き去るその日まで。 本年度を締めるのは、無念の帰還を果たし、ついに天下統一まで遂げてしまった姫自身の過去の言葉である。 大賞を射止めたげーせん18はじめ全てのメーカーと、エロゲーを愛好する全ての者達へ。 そして我々スレ住人一同自身へ。 初代姫の主題歌に乗せて未来への願いを歌い、長かったこの戦いを結ぶとしよう。 「咲かせて熱く、夢と舞う焔 苦しいほど美しく この手に強く輝く未来をきっと掴むために――疾風れ」